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火葬後の遺骨はどうすべき?供養の方法や残ったご遺骨の取り扱い
お葬式が終わると、ご遺体は火葬場へと移され、火葬されます。
火葬後は骨上げを行なって、ご遺骨を骨壷に納めていきますが、その後のご遺骨はどうすればいいか、火葬の時に納めきれなかったご遺骨はどうすればいいのか、疑問に思っていませんか?
今回は、火葬してから埋葬するまでのご遺骨の取扱や供養の方法について、詳しく説明します。
Contents
お葬式の後に火葬してご遺骨を納骨するまでの流れ
告別式が済んだらご遺体は火葬場へと運ばれます。 火葬をした後、骨壷にご遺骨を納め、納骨するまでの流れについて説明します。
納めの式から火葬まで
火葬の前には、故人様との最後のお別れの儀式である「納めの式」を行います。
祭壇の前に棺を置き、位牌と遺影を飾り、僧侶が読経を行います。「納めの式」は僧侶なしで家族だけで行う場合もあります。火葬場まで一緒に来てもらえるかどうか、僧侶に事前に確認しておくと良いでしょう。
故人様の体格や性別にもよりますが、火葬の時間はおよそ1時間程度です。
最後のお別れなので、棺の中に故人様愛用のものを入れることが多いです。
手紙や写真など燃えやすいものなら大丈夫ですが、燃えにくいものを入れてしまうと火葬の時間が長くなってしまいます。
心配な場合は火葬場のスタッフに確認すると良いでしょう。
お骨上げ
火葬場では、火葬が終わるまでしばらく待合室で待っています。 火葬が終わると収骨室へ案内されますので、火葬場スタッフの指示に従いましょう。
お骨上げは、喪主の方など故人様と縁の深かった方から順番に行うのが通例です。喪主→遺族→親族の順でおこないます。
2人1組になり、足元から頭にかけて拾っていくのが一般的です。足の骨から骨壺に入れていくのは、生きている時と同じ形になるようにするためだとされています。
ただし、地域による違いなどもあり、ご遺骨の拾い方や骨壷に収める量など、思っていたのと違うということもあります。
すべての遺骨を拾う場合もあれば、一部だけという地域もあります。わからない時は火葬場スタッフの指示通りに行えば問題ありません。
骨上げ後にすぐ分骨する場合
もし、分骨を希望される方は、ご遺骨を分けて納めることができるように骨壷を用意しておきましょう。
また、役所から発行してもらった火葬許可証を提出すると、火葬場で押印した上で返却されます。これが埋葬許可証となります。
分骨する場合は、その分の埋葬許可証も必要となるため、火葬場に申し出て「火葬証明書(分骨用)」を発行してもらいましょう。
火葬後に残ったご遺骨の処分
拾いきれなかった小さな骨や、骨壺に入らなかったご遺骨については、法的には自治体の所有となります。
一般廃棄物として処理できるため、処分場が設けられている自治体もあります。
ただ、大切なご遺骨を廃棄物として処分するのは、心理的な抵抗が大きいでしょう。
ですので、骨壷に納まらなかったご遺骨は、粉骨をして散骨するなどの方法を取ることをおすすめします。
納骨するまで自宅で安置する
遺骨を骨壷に収めたら、葬儀場もしくは自宅へ戻ります。 ご遺骨は喪主が持ち、他の家族が白木位牌や遺影を持つのが一般的です。
自宅に戻る際、葬儀社が車を用意してくれれば良いのですが、そうでない場合はタクシーを使った方が良いでしょう。
もし、公共交通機関を利用する場合は、 骨壷が割れないように気をつけ持ち帰ります。骨壷を持っていることがわからないよう、必ず何かで覆い、バッグ等に入れて持つようにしてください。
四十九日までは、自宅の後飾り祭壇に骨壷を安置しておきます。 その際、灯明をともし線香をあげ、「還骨法要(かんこつほうよう)」を行います。僧侶の読経の後、喪主から順番に焼香を行い、この法要をもって、葬儀の全てが終了します。
最近では、還骨法要と合わせて初七日の法要を行う人が多くなりましたが、 中には宗派によってできないこともありますので、事前に確認しておくと安心です。
火葬後のご遺骨は、四十九日の法要とともに納骨するのが一般的ですが、納骨の時期は明確に決められているものではありません。
一周忌を機に納骨する方もいらっしゃいますし、お墓を建てたタイミングで納骨する方もいます。
納骨は気持ちの整理がついたタイミングで良いので、それまでは自宅で安置しておいて大丈夫です。
もし、ご遺骨をご自宅で安置することが難しい場合は、お寺に預けることができるかどうか聞いてみましょう。
火葬を行う前に注意したいこと
関東と関西では、骨壷の大きさが違います。
関東ではご遺骨のすべてを骨壷に納めるため、7寸程度のものが多いです。一方関西では、ご遺骨の一部を納めることから、3寸~5寸程度の骨壷がよく使われています。
持ち帰る地域によっては、納骨する場所に骨壷が収まらない可能性もありますので、あらかじめ寸法を確認しておくと良いでしょう。
そもそも収骨をしないという選択もあり
家庭の事情や、特定の宗教を進行していない等の理由で、ご遺骨を引き取らないという選択をする人もいます。
元々、西日本では、ご遺骨を全て持ち帰らないことから、残ったご遺骨を火葬場が処分するという習慣になっている地域もあります。
全骨収納をしている地域であっても、多くの火葬場がご遺骨を引きとってくれます。
ただし、どの火葬場でも対応しているわけではないので、事前の相談が必要です。また、引き取るにあたっては費用がかかる場合もありますから、費用も含めて確認しておきましょう。
火葬後に自宅で保管する際の注意点
火葬後に、納骨するまで自宅で安置する際には、以下の点に注意してください。
カビが生えないよう湿気のある場所にはおかない
火葬の際、非常に高温で焼いているので、火葬が終わったばかりのご遺骨はカビが生えにくい状態になっていますが、保管する場所によってはカビが生えてしまう可能性があります。
- キッチンの近く
- お風呂場の近く
など、湿気のある場所にはおかないようにしてください。
骨壷は、真空になっているわけではないので、わずかな隙間から水分が入り込んでしまう可能性があります。
万が一、ご遺骨にカビが生えてしまった場合、洗浄・乾燥などの作業が必要となるため、高温多湿になる場所にはおかないようにしましょう。
直射日光を避けて、風通しの良い涼しい場所に安置してください。
骨壷が落下しないよう気をつける
日本はどの地域も地震に注意が必要です。何か災害があった場合に、骨壷が落ちて割れてしまわないような安全な場所に安置するようにしましょう。
特に、小さいお子さんやペットがいるご家庭では充分注意してください。
来客にも配慮する
納骨するまでの間とはいえ、お客様が骨壷を目にすると、あまり快く思われないこともあります。
お客様が来た時は、視界に入らない場所に移すなどの配慮が必要です。
火葬後のご遺骨を供養する方法
火葬後のご遺骨を供養する方法は、お墓に納骨するだけではありません。散骨や手元供養など、様々な方法があります。
永代供養
永代供養とは、お寺や霊園が家族にかわりお墓の管理や供養をしてくれる埋葬の方法です。
お墓をついでくれる家族がいなくても、お寺や寺院が管理してくれるので安心です。永代供養料として最初に料金を払ってしまえば、基本的にはその後の費用がかかりません。
ただし、永代供養とはいっても、未来永劫ずっと供養をしてくれるわけではありません。 一般的には、十七回忌や三十三回忌等の法要を区切りとして、他の方のご遺骨と一緒に合祀されます。
樹木葬
樹木葬とは、墓石の代わりにシンボルツリーを植えて、その根元にご遺骨を埋葬する供養の方法です。 自然に還ることができる供養の方法として人気が高まっています。
納骨の方法は2つあり、ご遺骨をそのまま木の根元に埋葬する方法と、骨壺に入れて埋める方法があります。
樹木葬は基本的に永代供養となるため、子供や孫へお墓を継承する必要がありません。
また、墓石を建てないので、通常のお墓よりも費用が安く済むというメリットもあります。
納骨堂に納める
納骨堂とは、墓地ではなく、建物の中に設けられた納骨スペースのことを指します。お墓の下に埋葬するのとは違い、骨壷をそのまま収める形が一般的です。
広い土地を確保できない都市部などでよく見られる形で、交通の便の良いところに建てられていることが多いです。
ロッカー式、仏壇式、位牌式など様々な形があり、ご遺骨の数や大きさに合わせて選ぶことができます。
納骨堂は室内にありますので、お墓参りの際に掃除をするなどの手間もありません。
永代供養と同じく、基本的には納骨堂が管理をしてくれますし、一定期間を過ぎると合祀墓に移されますので、お墓の継承者がいなくても安心です。
手元供養
手元供養とは、お墓に遺骨を埋葬せずに、自宅に安置したり、アクセサリーに加工して身に付けたりしながら、供養する方法です。
最近は仏間や仏壇がないお宅も増えていますので、骨壷のままではなく、プレートやオブジェに加工して供養するケースも増えています。
散骨
ご遺骨を細かいパウダー状にして、海や山に撒いて自然に返す供養の方法です。
一般的に散骨というと海洋散骨を指すことが多いですが、山に撒く山林散骨や、空からご遺骨を撒く空中散骨などもあります。
いずれにしても、個人で勝手にご遺骨を撒くのではなく、専門の業者に依頼して行います。
なお、自治体の条例によって散骨が禁止されている場所もありますので、どこでも好きなところに散骨できるわけではありません。
また、ご遺骨はそのまま撒くことは禁止されており、必ず2ミリ以下のパウダー状にしなくてはならないため、粉骨作業も含めて専門の業者に依頼することをおすすめします。
散骨は、一度撒いてしまうとやり直しが効きません。ですので、本当にそのような方法でいいのか、家族や親戚とよく話し合ってから決めることが大切です。
まとめ
火葬後のご遺骨は、しばらく自宅で安置した後、四十九日や一周忌といった節目に納骨するのが一般的です。
火葬後に引き取らないという選択肢もありますが、納骨まで安置する場合は、高温多湿の場所を避け、涼しいところに安置してください。
お墓に埋葬しない場合は、散骨や手元供養などの方法があります。また、埋葬はしたいけれどお墓の継承者がいなかったり、費用の面で難しい場合は、永代供養や納骨堂という選択肢もあります。
この記事の監修者
天井 十秋
大阪・東京を始め、全国で「粉骨」や「散骨」など葬送事業を10年間以上携わっている天井十秋です。
ご遺骨の専門家として多くの故人様の旅立ちをサポートさせていただいております。
ご遺族様や故人様の想いに寄り添った、丁寧な対応と粉骨をお約束いたします。
ご供養のことでお悩みがございましたら、是非お気軽にご相談ください。