ブログ | ご遺骨の粉骨・洗骨業者

墓じまいをしてから散骨をするまでの流れ、費用、手続き方法など

お墓の管理者がいない、お墓参りをするのが辛くなってきたなどの理由で墓じまいを考える人が増えてきました。

 

また、お墓の維持が難しいことから、墓じまいをした後は散骨しようとする人も増えています。

 

では、墓じまいをして散骨をするにはどうすれば良いのか、その流れや手続き方法、費用などについて詳しく解説します。

 

散骨の方法についても詳しく解説しますので、墓じまいをして散骨をしようとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

 

墓じまいから散骨までの流れ

墓じまいから散骨までの流れ

墓じまいをしてから散骨をするまでの流れについて説明します。

 

墓じまいの工事を依頼する業者を探したり、粉骨や散骨を依頼する業者も探さなくてはならないので、スムーズに進めていくためにはスケジュールに余裕を持って動くことが大切です。

 

家族や親族に相談する

最初にやるべきことは、墓じまいと散骨について家族、親族と話をしてみんなの同意を得ることです。

 

普段は連絡を取っていない親戚も含めて、お墓に関わっている親戚すべてに相談するようにしてください。

 

ここで誰かに伝えるのがもれてしまうと、「聞いてない」とあとで大きなトラブルになりかねません。墓じまいも散骨もやり直しが効かないので、勝手に進めることのないようにしてください。

 

お墓の管理者に相談する

お寺や霊園など、お墓を管理している人に墓じまいをしたい旨を伝えます。民間の霊園であれば「墓じまいをします」と伝えれば良いのですが、長年お世話になっているお寺の場合は、少し注意が必要です。

 

墓じまいをするということはお寺の檀家ではなくなるということですから、いきなり「墓じまいをします」と伝えると、どうしても心理的な抵抗を感じてしまいます。法外な離檀料を請求されるなどのトラブルが起こることもありますので、注意してください。

 

トラブルを防ぐためには、「相談」ということで話をすることをおすすめします。墓じまいをしなければならない理由を真摯に説明し、理解を得るようにすれば大丈夫です。

 

墓じまいの工事をしてくれる業者を探す

墓石を撤去して更地に戻す工事をしてくれる業者を探します。お寺では出入りの業者が決まっている場合がありますので、その場合は指定されている業者に依頼するしかありませんが、それ以外は自分で探します。

 

石材店で工事を請け負ってくれますので、いくつかの石材店から見積もりをとって費用を比較してみると良いでしょう。

 

散骨業者を探す

墓じまいの業者を探すのと並行して、散骨を依頼する業者も探しておきます。自分が散骨を希望するエリアで営業している業者を探し、複数の見積もりをとって、料金やサービスを比較してみてください。

 

閉眼供養を行う

墓石を撤去する前に、ただの墓石に戻すための閉眼供養が必要です。この儀式を行っていないと工事をしてくれない業者もいますので、やっておいた方が良いでしょう。

 

閉眼供養は墓じまいの前に行いますが、工事と同日でも構いません。

 

ご遺骨を取り出して粉骨する

墓じまいをしてご遺骨を取り出したら、散骨する前に粉骨をします。粉骨業者に持ち込むか、ご遺骨を送ります。散骨業者が粉骨もしてくれる場合もあります。

 

散骨の実施

粉骨が完了したらいよいよ散骨です。日程等は業者と相談して進めていきます。

 

散骨は「改葬」ではないので改葬許可証は不要

散骨は「改葬」ではないので改葬許可証は不要

改葬するには自治体が発行する「改葬許可証」が必要なのですが、散骨は改葬にはあたりません。改葬とは別の場所に埋葬することをいいますので、墓じまいをした後のご遺骨の供養の方法が、永代供養や納骨堂などでないかぎり、改葬許可証は不要ということになります。

 

しかし、散骨に関する法律が整備されていないことから、改葬許可証についてのトラブルが起こることがあります。

 

改葬許可証は、必要書類を用意して改葬許可申請書とともに自治体に提出することで発行してもらうものです。

 

散骨は「改葬」にあたらないため、墓じまいをする際に改葬許可証は不要なのですが、改葬許可証がないことを理由に墓地の管理者が墓じまいを認めなかったり、散骨業者が改葬許可証を求めてくる場合があります。

 

しかし、自治体では改葬でないことを理由に改葬許可証を発行してくれません。

 

このようなときは、墓地の管理者を説得し、散骨業者には改葬許可証が不要であることを説明するしかありません。

 

散骨の種類

散骨には、撒く場所によっていくつかの種類があります。

 

海洋散骨

海洋散骨とは海にご遺骨を撒く方法です。散骨というと、この海洋散骨をイメージする人が多いでしょう。

 

海ならどこでも良いというわけではなく、海水浴場や養殖場、漁場などで撒くことはできません。各自治体の条例で禁止されている場所もありますので、勝手に撒かないようにしましょう。

 

散骨そのものを禁止する法令はありませんが、好きなところでできるわけではないという点に注意が必要です。

 

通常は船をチャーターし、沖合に出て散骨を行いますので、専門の散骨業者に依頼して行います。

 

船の大きさなどによって、3つの方法があります。

  1. 個別散骨:1つの家族のみで行う
  2. 合同散骨:複数の家族で船をチャーターする
  3. 代理散骨:業者にご遺骨を預けて散骨してもらう

散骨をする場所ですが、たとえば「伊豆の海が好きだった」から伊豆の海で散骨したいといっても、好きだった場所でできるとは限りません。

 

自治体によっては散骨を規制する条例を設けている場合がありますので、事前の確認が必要です。

 

法令についても、専門の業者なら詳しく教えてくれるはずですので、見積もりを取る際に場所についても相談してみると良いでしょう。

 

山林散骨(森林散骨)

山林散骨とは、山にご遺骨を蒔く方法です。山は海と違ってほとんどの場所に所有者がいるため、散骨できる場所はそれほど多くありません。

 

散骨が許可されている場所、もしくは業者が散骨できる場所として確保しているところでしか行えないので、たとえば「山登りが好きだったから、よく登っていた山に撒きたい」と思ってもそれはできないのです。

 

しかも、散骨できる場所はかなり山の奥深い場所にあることが多いため、山林散骨を実施している業者に依頼して散骨してもらうのが一般的です。

 

空中散骨

空中散骨とは、小型の飛行機やヘリコプターに乗って空中から散骨をする方法です。大きなバルーンにご遺骨を入れて飛ばす方法もあります。

 

乗り物を使う方法は、飛行機やヘリコプターをチャーターしないといけませんし、パイロットも手配しなくてはなりません。乗り物に家族が同乗するとなると、その分の費用もプラスされます。

 

宇宙散骨

宇宙散骨は、その名の通り、宇宙にご遺骨を撒く方法です。割れにくいバルーンにご遺骨を入れて成層圏まで飛ばす方法と、ロケットで飛ばす方法があります。

 

まだあまりメジャーな散骨の方法ではなく、ロケットで飛ばす方法は業者がおらず日本ではできません。希望する人は専門業者に依頼してアメリカで行うことが多いです。

 

散骨するために必要なこと

散骨するために必要なこと

墓じまいをした後に散骨をするには、粉骨をすることが必要です。ご遺骨をそのまま墓地以外の場所に撒くことは法令に触れますので、2mm以下のパウダー状にしなくてはなりません。

 

粉骨は、自分でもできますが、手間も時間もかかり、精神的な負担も大きいので、専門の業者に依頼することをおすすめします。

 

散骨業者を探す

散骨をするには、どのような方法で散骨をするにしても、個人で行うのはとても難しいです。業者に依頼して行うのが一般的ですので、まずは散骨業者を探します。

 

散骨を希望するエリアで営業している散骨業者を探しましょう。

 

洗浄・乾燥する

お墓から取り出したばかりのご遺骨は、長い間地中にあったために、湿り気を帯びています。カビが生えてしまっているものもあるでしょう。

 

粉骨する前に、しっかりと洗浄をして乾燥させる工程が必要です。これは、業者が粉骨と一緒にやってくれることが多いです。

 

粉骨をする

ご遺骨を乾燥した後に粉骨をします。粉骨専門の業者に依頼しますが、散骨業者が粉骨も合わせてやってくれることが多いです。

 

散骨業者を探す時に同時に粉骨もやってくれるかどうか聞いてみましょう。

 

散骨のメリット

墓じまいをしてから散骨をするのには、このようなメリットがあります。

 

お墓の管理が不要になる

散骨をしてしまえばご遺骨が残りません。お墓に納骨して供養する必要がなくなることから、お墓の管理ができない、お墓を継承する人がいないという人にむいている供養の方法です。

 

ご遺骨を自然にかえすことができる

亡くなった後に、自然にかえりたいと考える人も増えてきました。散骨をすれば、ご遺骨は海や山の一部となりますので、自然にかえりたいという故人の希望も叶えられるでしょう。

 

費用が安い

墓じまいをした後、新たにお墓を建てようとすると数百万円の費用がかかることもあります。

 

しかし散骨なら、高くても50万円程度で済みますので、かなり費用を抑えることができます。

 

散骨のデメリット

費用もかからず、お墓の管理も不要となる散骨ですが、デメリットがないわけではありません。これらのデメリットもよく理解したうえで、散骨するかどうかを決めてください。

 

お参りする場所がなくなる

 

墓じまいをしてすべて散骨をしてしまうと、お墓のように手を合わせて故人を偲ぶ場所がなくなります。

 

散骨した場所に向かって手を合わせるという方法もありますが、実際にお参りする場所がなくなってしまうことに寂しさを感じる人も少なくありません。

 

このデメリットを避けるには、すべてのご遺骨を散骨するのではなく、分骨をして一部手元に残しておくことをおすすめします。

 

手元供養をしても良いですし、納骨堂に納めるという方法もあります。散骨以外の改葬方法については、後ほど詳しく説明します。

 

親族の反対にあう

散骨することや分骨することに対して、抵抗を感じる人もいます。墓じまい自体にも反対する人がいるかもしれません。

 

散骨するかしないか、どちらが正しいという問題ではないですし、ご遺骨に対する思いはどちらも尊重されるべきです。

 

ですから、墓じまいや散骨に関しては、親族みんなが納得するまで、時間をかけて話し合いをすることがとても大切です。

 

散骨が向いている人

散骨が向いている人

墓じまいをした後に散骨をするのが向いているのは、このような人です。

 

改葬後の費用を抑えたい人

お墓の管理費用などが負担となり墓じまいを考えている人は、その後の供養の費用も抑えたいと考えているでしょう。

 

数ある供養の方法の中で、散骨はかなり費用を抑えられる方法です。費用は次章で詳しく説明しますが、代理散骨なら5万円程度におさめることができます。

 

お墓参りの負担を減らしたい人

実際にお墓に行って手を合わせたいという人もいれば、そうでない人もいます。故人を偲ぶのは気持ちの問題なのでお墓はいらないという人もいます。

 

お墓があると管理しなくてはなりませんが、なければその手間もなくなります。心の中で手を合わせれば十分、と考える人にとって散骨は適した供養の方法です。

 

ご遺骨の一部だけを手元供養したい人

ご遺骨を粉骨してアクセサリーなどに加工したいとお考えの方にとって、ご遺骨のすべてを手元に残すのは困ってしまうことがあります。

 

手元供養にはそれほどの量が必要ないので、残ったご遺骨を供養する方法として、散骨が向いているのです。

 

墓じまいと散骨にかかる費用

墓じまいと散骨の費用ですが、散骨の方法によって費用が違ってきます。

 

墓じまいの費用

墓じまいの費用は、1平方メートルあたり10万円という相場があります。また、お寺にお渡しするお布施なども含めて、50万円程度あればできるでしょう。

 

各費用の相場は以下の通りです。

  • 工事の費用:10万円~20万円程度(墓地の大きさによる)
  • 閉眼供養のお布施:3万円~5万円
  • 離檀料:10万円~20万円
  • 行政手続き:1,500円程度(改葬許可証をもらう場合)

墓じまいの工事は、一応相場がありますが、墓地の形状や場所によって費用が割高になることがあります。

 

山の斜面にあったり、道が狭くて重機が入れなかったりすると、人件費がかかるためです。料金に疑問があったら詳細な見積もりを取り、費用の内訳を聞いてみると良いでしょう。

 

そのうえで、いくつかの業者を比較してから選ぶようにすると、失敗がありません。

 

散骨の費用

散骨は、方法によって料金が違います。

 

海洋散骨

  • 個別散骨:20万円~50万円
  • 合同散骨:10万円~20万円
  • 代理散骨:5万円程度

 

個別散骨は、船の大きさで費用が変わります。

 

  • 小型~中型の船:20万円~30万円程度
  • 大型の船:40万円~50万円程度

 

合同散骨は参加した家族で費用を均等に負担するので、大型の船をチャーターしても費用を抑えることが可能です。

 

その他の散骨

  • 山林散骨:5万円程度
  • 空中散骨:30万円~50万円
  • 宇宙散骨:20万円~100万円

 

散骨以外の改葬の方法

散骨以外の改葬の方法

墓じまいをして散骨をするとお参りをする場所がなくなってしまうと懸念される方は、他の方法も検討してみてください。分骨をし、一部は散骨、一部は他の方法としておけば、散骨した後もお参りができます。

 

新しくお墓を建てる

墓じまいをした理由が、引っ越し等でお墓が遠くなったため、という場合は、近くにお墓を建て直すという選択をする人もいます。

 

新たに墓地を確保して墓石を用意しますので、100万円~300万円ほどの費用がかかります。

 

永代供養

永代供養とは、家族の代わりにお寺や霊園がご遺骨を供養してくれる方法です。最初に料金をお支払いすれば、その後の管理費等は必要ありません。

 

他のご遺骨と合祀する形が一般的ですが、中には個別のお墓もあります。ただしその場合も、三十三回忌など一定の時期を過ぎると合祀されることが多いです。費用の相場は5万円~150万円です。

 

納骨堂

納骨堂とは、屋内型の納骨施設のことです。

  • ロッカー式
  • 仏壇式
  • 機械式
  • 位牌式

などの形があり、納骨する場所の大きさによって費用が変わります。位牌を置くだけの小さなスペースであれば10万円ほどでおさまることもありますが、大きな仏壇タイプになると100万円を超えることもあります。

 

納骨堂は都心にあることが多く、24時間お参りできる施設もあります。天気や時間に関係なくお参りができる施設として、人気が高まっています。

 

樹木葬

墓石の代わりにシンボルツリーを植え、その木の元にご遺骨を埋葬する方法です。

 

一般的なお墓とは違い、一度埋葬するとご遺骨を取り出すのは難しくなりますが、自然にかえる方法として、散骨と同様に人気が高まっている供養の方法です。

 

費用は墓地の場所や区画の広さにもよりますが、相場は20万円~80万円ほどです。

 

手元供養

手元供養とは、どこかに納骨するのではなく、自宅等で供養する方法です。自宅の庭にご遺骨を埋めてしまうと法令違反になってしまいますが、自宅の仏壇等に安置するのであれば、特に問題はありません。

 

墓じまいで取り出したご遺骨は、そのままの状態で自宅に持ってくることは難しいので、業者に依頼していったん洗浄・乾燥してもらいます。そのうえで粉骨をしてもらえば、1/3~1/4ほどの容量になり、自宅でも供養しやすくなります。

 

小さな骨壷に入れたり、オブジェ型や写真立て型など一見骨壷とはわからない入れものに入れたりして供養します。粉骨だけなら、費用は2万円~5万円程度です。

 

中にはペンダントや指輪などのアクセサリーに加工して身につける人もいます。費用は数万円程度から、高いものですと20万円~30万円ほどになります。使用する金属や宝石の種類によって幅があります。

 

まとめ

お墓の維持管理が難しくなり、墓じまいをしてから散骨をする人が増えてきました。散骨には海洋散骨、山林散骨などがありますが、いずれの方法でも専門の業者に依頼して行うのが一般的です。

 

散骨も墓じまいもやり直しが効きません。家族みんなが納得することが大切なので、進める前によく話し合いましょう。

 

散骨は、すべてのご遺骨を撒いてしまうと手を合わせる場所がなくなることに不安を覚える人もいます。その際は分骨をして、一部を散骨、一部を他の方法で供養するという方法もあります。

 

今回は散骨以外の改葬の方法もご紹介していますので、散骨と組み合わせる方法も考えてみてください。

この記事の監修者

株式会社Aクルーズ代表「天井 十秋」

天井 十秋

大阪・東京を始め、全国で「粉骨」や「散骨」など葬送事業を10年間以上携わっている天井十秋です。
ご遺骨の専門家として多くの故人様の旅立ちをサポートさせていただいております。
ご遺族様や故人様の想いに寄り添った、丁寧な対応と粉骨をお約束いたします。
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