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位牌の正しい書き方とは?基本的なルールや注意点を解説
お葬式のときに使用する白木位牌、四十九日の法要以降に使用する本位牌など、位牌にはいくつか種類があります。
しかし、初めてを作る方は、どのようにすれば良いのかわからないことが多く、お困りではないでしょうか?
そこで今回は、位牌の役割や書き方について詳しく解説します。始めて位牌を作られる方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
位牌とは故人様の魂が宿る依代(よりしろ)のこと
位牌には、故人様の霊魂が宿っていると考えられています。いってみれば故人様そのものであり、御本尊と同じように大切なものです。
位牌には3つの種類があります。
- 白木位牌(しらきいはい):亡くなってすぐにお作りする位牌
- 本位牌(ほんいはい):四十九日法要以降にお祀りする正式な位牌
- 繰出位牌(くりだしいはい):古くなったご先祖様の位牌をまとめてお祀りするための位牌
一般的に位牌というと、本位牌のことを指しています。
四十九日の法要で本位牌へと移る
亡くなってすぐにお作りする白木位牌は、仮の依代です。四十九日に法要によって魂の行き先が決まりますので、本位牌へと魂が移るとされています。
ですので、四十九日を境に、本位牌を作る必要があるのです。
ただし、本位牌を作っただけでは足りません。法要の時に白木位牌と本位牌を準備し、「魂入れ」の読経をしていただいて、初めて魂が移ります。
魂入れのお布施の相場
通常は四十九日の法要と一緒に行いますので、魂入れのお布施をわざわざお渡しする必要はありません。
しかし、法要とは別に魂入れをお願いする場合には、1万円~3万円程度のお布施をお渡ししましょう。
地域の風習などもありますので、もし迷ったらお寺に聞いてみてください。
浄土真宗には位牌がない
浄土真宗では、人が亡くなるとすぐに成仏して浄土に導かれるため、「供養」という考え方がありません。
そのため、故人様の魂を入れた位牌を飾り、日々供養する必要がないのです。ですので、位牌そのものが不要とされています。
浄土真宗では位牌の代わりに、「過去帳」と呼ばれるものを仏壇にお祀りします。
位牌の書き方の基本的なルール
それでは、位牌の書き方の基本について解説します。位牌には、5つの要素があります。
- 梵字(ぼんじ)
- 戒名(かいみょう)
- 没年月日
- 俗名
- 没年齢
それぞれ、詳しく解説します。
梵字
戒名の上に記される文字で、それぞれの宗派の御本尊を表すものです。
<梵字の例>
- 浄土宗:キリーク(という梵字)
- 禅宗:空
- 真言宗:ア(という梵字)
- 日蓮宗:妙法
ただし、お寺によっては入れない場合もありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
戒名
戒名はあの世における故人様の新しい名前です。ちなみに浄土真宗では法名(ほうみょう)と呼ばれます。
位牌の表側の中央に書きます。
極楽浄土を目指して修行するための名前であり、菩提寺から授かるのが一般的です。
戒名は、
- 院号
- 道号
- 戒名
- 位号
の4つの要素で構成されています。
本来の戒名は2文字なのですが、そこに院号などを加えて全体で6~11文字の名前となります。一般的に戒名というと、この全体の名前を指します。
ちなみに位号にはランクがあり、「信士→居士→大居士」、「信女→大姉→清大姉」の順でランクが上がります。ランクはお布施の額によって変わります。
低いもので20万円~30万円、高いものは50万円~100万円が相場とされています。
戒名の最後に「之霊位(のれいい)」や「位」という置字を記しますが、省略してもよいものです。
没年月日
位牌の表側、戒名の両脇に書きます。右側に年、左側に日付という配置です。
「没」「寂」といった文字は入れません。
没年月日は西暦ではなく、元号と漢数字で記します。
俗名
俗名とは生前のお名前で、位牌の裏側の中央に書きます。
「俗名 姓 名」の順序で名入れをします。たとえば、「俗名 田中 花子」のように書きます。
没年齢
位牌の裏側の俗名の左側に亡くなった時の年齢を書きます。
漢字については、
- 享年または行年
- 歳または才
のいずれかを使用しますが、基本的には白木位牌に書いてあったものを書き写す形で大丈夫です。
ちなみに享年は「天から享けた年数」という意味なので数え年、行年は「生まれてから経過した年数」という意味なので、満年齢で記すのが一般的です。もし迷ったら、お寺に確認しましょう。
その他の位牌の書き方のルール
基本的な書き方以外に、宗派がない場合や夫婦の位牌を作る時の書き方などについても説明します。
特定の宗派がない場合
特定の宗派を持っていない場合は、戒名なしで位牌を作ることができます。これを「俗名位牌(ぞくみょういはい)」といいます。
表側に俗名と没年月日、裏面に没年齢を入れます。俗名の下に「之霊位」と記します。
生前位牌
まだ亡くなる前に戒名をいただいて位牌を作ることもあります。これを「生前位牌」と呼びます。
基本的な書き方は亡くなった後に作る位牌と同じですが、没年月日と没年齢はわからないので、空欄のままで大丈夫です。
また、戒名と俗名の部分は赤色で入れるのが一般的です。
お亡くなりになった後、改めて赤色の部分を金色の文字で入れ直し、没年月日と没年齢を書き加えます。
夫婦連名で作ることも可能
夫婦連名で作る位牌を「夫婦位牌(めおといはい)」といいます。
戒名と俗名を並べて記しますが、右側に夫、左側に妻の名前を入れます。
没年月日、没年齢をそれぞれの戒名、俗名の横に記します。
夫婦が同時に亡くなることはあまりないことですから、夫婦位牌を作るなら、どちらも生存中につくるか、先にどちらかが亡くなった際に作っておき、後でもうひと方がお亡くなりになった時に名前を足すことになるでしょう。
未成年の子供の位牌の書き方
子供の位牌の書き方は、大人は少し異なる点があります。
- 死産の場合:水子(すいじ)と入れる
- 1歳未満の子供:嬰児(えいじ)または嬰女(えいにょ)
- 3歳未満の子供:亥子(いのこ)または亥女(かいじょ)
- 18歳未満の子供:童子(どうじ)または童女(どうじょ)
これも、迷ったらお寺に相談しましょう。
位牌に入れる文字の種類
位牌に入れる文字は、主に彫り文字と書き文字の2種類があります。
基本的にはご先祖様の位牌と同じ種類を選べば大丈夫です。
彫り文字
彫り文字には、手彫りと機械彫りがあります。手彫りの方が作成に時間がかかりますが、くっきりとはっきりした文字になりますので、高級感もあります。
書き文字
書き文字は流れるような柔らかさがあり、優しい印象の位牌になります。
ただし、強くこすると文字が消えてしまうことがあります。その点だけ注意してください。
文字は金色が一般的
文字の色は、金色が一般的です。白色もありますが、絶対この色でなければならないという決まりはないので、好みによって変えても大丈夫です。
位牌の書き方、レイアウトは地方・宗派によって違う
上記でご紹介したのは一般的な位牌の書き方ですが、関東と東海・関西では微妙に違っています。
関西では没年月日を裏面に書くこともあります。
基本的にはすでにあるご先祖様の位牌と同じように書けば良いですが、もし迷ったらお寺に聞いてみてください。
位牌の書き方で注意したいこと
位牌の書き方で、いくつか注意して欲しい点があります。
文字は正確に書くこと
基本的には白木位牌に書いてあった文字をそのまま本位牌に書き写します。
ですので、名前に旧字体が入っている場合など、注意して欲しい文字があれば、白木位牌を作るときに正確に伝えます。
書き文字位牌の方が作成に時間がかかる
文字入れの方法については特に決まりはありませんので、どちらを選んでも構いません。
ただ、彫り文字よりも書き文字の方が、乾かす時間が必要なので作成に時間がかかります。彫り文字であれば1週間程度でできますが、書き文字は2週間ほどかかることもありますので、早めに依頼したいところです。
まとめ
位牌の基本的な書き方について解説しました。
位牌には、梵字、戒名、没年月日、俗名、没年齢の5つの要素を記載します。特定の宗派がない場合は、戒名なしで作ることも可能です。
また、亡くなる前に戒名をいただいて、先に位牌を作っておくこともできます。その場合は、没年月日と没年齢を空欄にしておきます。
位牌の文字は彫り文字と書き文字の2種類があります。ご先祖様のものと同じにしておけば問題ありませんが、好みでどちらを選んでも大丈夫です。
彫り文字は作成に1週間程度、書き文字は2週間程度かかりますので、四十九日の法要で使用する場合は早めに注文しておきましょう。
この記事の監修者
天井 十秋
大阪・東京を始め、全国で「粉骨」や「散骨」など葬送事業を10年間以上携わっている天井十秋です。
ご遺骨の専門家として多くの故人様の旅立ちをサポートさせていただいております。
ご遺族様や故人様の想いに寄り添った、丁寧な対応と粉骨をお約束いたします。
ご供養のことでお悩みがございましたら、是非お気軽にご相談ください。