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納骨とは?意味、方法、タイミング、手順など詳しく解説
お葬式が終わると火葬し、お墓にご遺骨を納めます。これまでは、当たり前のようにお寺に納骨する人が多かったですが、最近ではお寺の墓地以外の場所で納骨する人も増えてきました。
本来の納骨とはどのような流れで行うものなのか、納骨する場合にはどのような手続きが必要なのか、詳しく説明します。あわせて、お寺以外の納骨の方法や納骨式を行う場合の手順などもお話しします。
納骨についてわからないことがある方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
納骨とはお墓にご遺骨を埋葬すること
納骨とは、ご遺骨をお墓に埋葬することです。 通常、ご遺骨は骨壺に入れられ、骨壷ごと墓石の下のカロートと呼ばれるスペースに入れます。
納骨の方法は自由
納骨の方法に特に決まりはなく、骨壷からご遺骨を出し、布に包んで納めている地域もあります。
かつては日本でも土葬が主流でした。棺桶をそのまま埋葬することを納骨としていましたが、現代では火葬をしてから埋葬しますので、「納骨」は骨壷をお墓に収めることを指す言葉として定着しています。
すべてのご遺骨を納骨しなくても良い
骨壷の大きさは関東では7寸、関西では5寸が主流となっています。 関東から北では骨を全て拾う全骨収骨が基本ですが、関西では一部のみを拾うため、骨壷の大きさに差があるのです。
とはいえ、関東でも、必ずしもすべてのご遺骨を納めなくてはいけないわけではありません。
最近では、一部のみお墓に納骨し、残りは散骨にしたり、手元供養にしたりと、様々な供養の方法が見られます。
納骨をするタイミング
納骨をする時期については、特に決まりはありません。 いつ納骨するかは、自由に決めて良いのです。
一般的には四十九日など節目に行うことが多い
火葬を終えた当日にすぐ納骨する人もいらっしゃいますが、一般的には四十九日の法要と同時に納骨を行う人が多いです。
他にも、
- 百箇日法要
- 一周忌
- 三回忌
などの節目も納骨の目安となります。
亡くなってから新しく墓石を建てる場合、四十九日の法要には間に合わないことが多いです。その場合は、次の切りの良い法要に合わせて納骨しても、全く問題ありません。
お墓を建ててから好きなタイミングでゆっくり行っても問題ない
お寺で納骨するなら、お墓がなくてはできません。ですので、菩提寺や先祖代々のお墓がなく、急な不幸でお墓の準備ができていなかった場合などは、お墓を準備してからゆっくり納骨しても問題ありません。
また、特に法要と一緒に行う必要はなく、気持ちの整理がつくまで待っても大丈夫です。
納骨方法の種類
納骨は、お墓に埋葬するだけでなく、散骨や納骨堂への安置など様々な方法があります。どの方法が良いかは、家族や親戚とよく相談して決めると良いでしょう。
墓地に埋葬する
一般的に「納骨」というと、お墓に埋葬することを指します。墓地の永代使用料を払い、墓石を建て、そこにご遺骨を納めます。
先祖代々のお墓があれば良いのですが、新たに購入するとなると100万円~300万円ほどの費用がかかります。
少しでも費用を抑えたい場合は、宗派に関わらず納骨できる公営または民間の霊園を利用すると良いでしょう。
永代供養
永代供養とは、寺院や霊園がご遺骨を預かり、家族に代わって供養と管理をしてくれる方法です。個別墓を建てる方法もありますが、一般的には他のご遺骨と一緒に合祀する場合が多いです。
合祀も、骨壷のまま 一定期間供養する方法と、ご遺骨を骨壷から出して納骨する方法があります。
散骨をする
ご遺骨を細かい粉末にして、海や山に撒いて供養する方法を散骨といいます。
- お墓を新しく建てることが難しい人
- 納骨する場所がない人
- お墓の継承者がおらず墓じまいを考えている人
など、お墓に納骨せずに散骨をする人が増えています。
特定の場所に納骨するのではなく、自然にかえすという比較的新しい供養の方法です。
散骨は、お寺にお願いするのではなく、専門の散骨業者に依頼します。
海洋散骨が一般的で、業者に船をチャーターしてもらい、沖まで出て散骨します。
樹木葬
樹木葬とは、墓石の代わりに、シンボルツリーとなる樹木を植えて墓標とする供養の方法です。 都市部にあるのは公園型・都市型と呼ばれる墓地で、1区画が比較的小さめです。
里山型は自然に囲まれた場所で、樹木葬を希望する人のイメージにより近いものです。ただし、自然を感じられる場所ではあるものの、都市部からは離れていることが多いです。場所を選ぶ際には、通いやすいかどうかも確認しておきます。
納骨する方法は、個別型と集合型、合祀型があります。
納骨堂
納骨堂とはご遺骨を収納する場所を提供しているところで、屋外型と屋内型があり、都市部では屋内型が主流です。
- ロッカー型
- 仏壇型
- 可動型
- 墓石型
- 位牌型
などがあります。
屋内型は掃除なども必要なく、天候に関わらずお参りができます。
納骨をする時の骨壷の選び方
納骨をする時には、散骨以外は基本的に骨壷が必要となります。どのような骨壷が良いのか、選び方についてお話しします。
骨壷の大きさは地域によっても違う
5寸、7寸という大きさは、一般的に使われる骨壷の大きさではありますが、この大きさでなければいけないわけではありません。
地域によってもちがいますし、これまで納めてきたご遺骨の数が多い場合は、8寸以上の大きな骨壷を使うか、粉骨して小さな骨壷に入れて納骨することもあります。
骨壷のデザインや材質はさまざま
骨壷は、一般的には陶磁器が使われています。しかし最近では材質も豊富になり、金属やガラスでできた骨壷もあります。
骨壷というと、白無地のイメージが強いかもしれませんが、柄やデザインもさまざまです。お墓に入ってしまうと見えなくなるとはいえ、大切なご遺骨を納めるものですから、故人様らしいデザインのものを選ぶと良いでしょう。
納骨をする手順(お墓に納骨する)
お葬式の後から納骨をするまでの手順について、一般的なお墓に納骨する場合を例として説明します。
埋葬許可証を準備する
埋葬許可証がないと、納骨ができません。埋葬許可証とは、市区町村役場から発行してもらう書類です。
人が亡くなると、病院や医師から死亡診断書をもらい、役所に提出します。すると「火葬許可証」が発行されます。
実はこの火葬許可証、自治体によって名称がそれぞれ違います。
- 火葬・埋葬許可証
- 死亡届・火葬許可証
- 死体火葬・埋葬許可申請書
など、さまざまです。
火葬許可証は火葬するために必要なもの、埋葬許可証は埋葬するために必要なものですが、火葬してから埋葬することがほとんどであるため、一般的には火葬許可証と埋葬許可証が一体となっています。
火葬が済んだら、火葬場で証明をもらいます。この証明をもらって初めて「埋葬許可証」として使用できるようになります。
また、万が一、埋葬許可証を紛失してしまったら、再発行は可能ですが、いくつか注意して欲しい点があります。
- 死亡届を提出した役所にいくこと
- 死亡届を提出した人、または直系親族のみが申請できること
- 死亡届を提出してから5年以内であること
なくしてしまうと、再発行はできても手続きが面倒なので、なくさないように気をつけましょう。
納骨の方法を決める
埋葬許可証の準備と並行して、どのような方法で納骨するかを決めます。もしお墓を建てるなら費用も準備期間もかかるので、早めに納骨先を探さなくてはなりません。
散骨するなら、その前にすることが必要ですし、お墓を建てるのに時間がかかる場合は、しばらくの間、手元供養をするか、納骨堂に一時的に預けておくという選択肢もあります。
納骨の日程を決める
納骨の日にちはいつでもかまいませんが、お墓の下のカロートは簡単に開けることができないため、石材店を呼ばなくてはなりません。
また、納骨するためには僧侶に法要を行ってもらいますので、菩提寺に早めに相談しておきましょう。
菩提寺がない人は、公営墓地や民間の霊園、納骨堂などを利用します。
お寺以外の場所であれば、宗教や宗派を問わず納骨ができますので、僧侶を呼んだり法要を行う必要もありません。
納骨式を行う場合は、来ていただく方とのスケジュール調整が必要となります。相手の都合もあるので、人が集まりやすい日に合わせ、早めに連絡しておきましょう。
日程や場所の連絡は、身内ならば電話でも良いですが、身内以外の方も招待するなら、きちんと案内状を送ります。
なお、納骨式は 親戚や友人等を呼ばず、家族だけで行うことも可能です。ただし、連絡なしに納骨式を終えてしまうと、参列したかったのにという方がいらっしゃるかもしれません。
親戚やお世話になった方、友人には、家族のみで納骨式を行う旨をお知らせした方が良いでしょう。
菩提寺で納骨する場合は納骨法要の準備をする
僧侶に読経してもらうためには、お布施が必要です。 お布施の目安としては10,000円~15,000円程度ですが、お墓の開眼供養と同時に行う場合は30,000円~50,000円程度が目安となります。
お布施については、お寺との関係性やその地域の風習などもありますので、迷ったらお寺に直接聞いてみても良いでしょう。
納骨法要の後に参列者と一緒に会食も行う場合は、早めに場所も確保しておきます。
僧侶が会食に参加しない場合には、御膳料や御車料も用意しておきます。相場はそれぞれ5,000円~10,000円程度です。
お墓を建てた場合には開眼供養も行う
お墓を新しく建てたときは、納骨する前に開眼供養を行います。開眼法要、入魂式とも呼ばれ、僧侶に読経してもらい、新しく建てたお墓に魂を入れるための儀式です。
忙しい現代は、開眼供養と納骨法要を同じ日に行うことが多いです。
供養のためのお供え物や供花、引き出物などの準備も進めましょう。
一般的な仏式の納骨式
宗派による違いもありますが、およそこのような流れで進んでいきます。
- 施主による挨拶
- 僧侶による読経
- 納骨・焼香を行う
- 会食
会食を行う場合、必要に応じて車の手配も忘れずにしておきます。
納骨にかかる費用
墓地で納骨をする場合の費用は、大きく分けて僧侶に支払う費用、石材店に支払う費用、その他の費用があります。
費用の相場は一応の目安です。地域やお寺との関係性によっても違ってきますので、迷ったら親族と相談するか、お寺に聞いてみるのが良いでしょう。
僧侶に支払う費用
- 納骨式のお布施:30,000円~50,000円
- お車代:5,000円~10,000円
- 御膳料:5,000円~10,000円
- 卒塔婆供養料:2,000円~5,000円
納骨式と合わせて開眼供養も行う場合は、お布施を50,000円~100,000円にします。
お車代は、もし施主が送迎するなら不要ですし、御膳料は僧侶が会食に参加しない場合にお渡しします。
石材店に支払う費用
- 墓石への彫刻料:30,000円~50,000円
- カロートを開閉してもらう作業料:30,000円前後
墓石の購入費とは別に、彫刻料がかかります。費用は文字数によって変わってきますので、石材店に事前に確認すると良いでしょう。
お墓のカロートは、一般の人が開閉することが難しいため、石材店に納骨式当日に作業をお願いします。
その他の費用
- 会食の費用(1人当たり):5,000円~10,000円
- お供物、供花:5,000円~10,000円
お供え物や供花については、普段のお墓参りよりも少し豪華にするのが一般的です。
納骨式の服装
納骨式の服装は、四十九日の前か後かで違ってきます。
四十九日の前は喪服
四十九日の前は、親族も親族以外の出席者も、喪服の着用が基本です。
火葬後そのまま納骨する場合もあると思いますが、同じ服装でかまいません。
四十九日の後は平服で構わない
四十九日以降は、平服でよいとされています。ただし、宗派によっては喪服が望ましいとされることもあるので、念のために確認しておきましょう。
また、平服=普段着ではないことに注意してください。
- Tシャツやジーンズなどのカジュアルな服装
- サンダル
- 華美なアクセサリー
- 濃いメイク
などはNGです。
納骨式の趣旨を踏まえ、ダークカラーのスーツやワンピースにするなど、ふさわしい服装で臨みましょう。
納骨をしないという選択もあり
最初に説明した通り、納骨は必ずしなければならないものではありません。どうしても納骨したくない、踏ん切りがつかないという方もいらっしゃると思います。
納骨は法的な期限もなく、気持ちの整理がつくまでしなくても、まったく問題ありません。
最終的には手元供養にするという選択肢もあります。
ただし、手元供養にした場合でも、そのご遺骨を管理している方もいずれは亡くなります。その場合に、ご遺骨をどうするべきか決めておく必要はありますが、無理に納骨する必要がないと知っておくだけでも、心が軽くなるのではないでしょうか?
まとめ
納骨とは、お墓などにご遺骨を埋葬することをいいます。 納骨する期限は特に決められていないため、四十九日や一周忌などの法要のタイミングで行うのが一般的です。
最近では、お墓以外にも納骨堂に納めたり、散骨をしたりと供養の選択肢も増えてきました。 必ずしも、お墓を建てて埋葬しなくてはならないわけではありません。家族や親戚とよく相談して決めてください。
納骨式を行う場合の流れや費用などについてもあわせてお話ししましたので、納骨を考えている方は準備の参考にしてください。
この記事の監修者
天井 十秋
大阪・東京を始め、全国で「粉骨」や「散骨」など葬送事業を10年間以上携わっている天井十秋です。
ご遺骨の専門家として多くの故人様の旅立ちをサポートさせていただいております。
ご遺族様や故人様の想いに寄り添った、丁寧な対応と粉骨をお約束いたします。
ご供養のことでお悩みがございましたら、是非お気軽にご相談ください。