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墓じまいせずに無視するとどうなる?お墓の放置で起こるトラブル
お墓を管理することが難しくなり、墓じまいを考える人が増えている一方で、墓じまいの手続きが良くわからない、親族との話し合いが進まないなどの理由でお墓を放置してしまう人もいます。
墓じまいをしないでそのままにしておくとどうなるのか、また、お墓に関するトラブルを防ぐにはどうすれば良いのか、詳しく解説します。
墓じまいをした方が良いケースについてもお話ししますので、どうすれば良いかと迷っている人はぜひ参考にしてください。
Contents
墓じまいをせずに放置するとどうなる?
墓じまいをせず、お墓をそのままにしておくとどうなってしまうのでしょうか。お墓のゆくえについてお話しします。
一定期間たつと無縁仏になる
お墓は、毎年管理費を払っていると思いますが、それはそこにお墓を置いてもらうための費用、施設の維持管理費として支払っています。
管理といっても掃除をしてもらったり、水を入れ替えてもらったりするためのものではありません。お墓のお手入れは、お墓の所有者が行います。
管理費を支払っているからといって、お手入れをしてもらえるわけではないので、何もしなければどんどんお墓が荒れていきます。
そして、管理費を支払わずにいるとお墓の管理者宛に催促が来ます。そこで滞納していた管理費を支払えば問題ありませんが、なんの連絡もしないと、所有者に注意喚起するためにお墓の見えやすいところに立て札を立てられ、官報にも掲載されます。
それでも連絡をせずに放置していると、無縁仏としてお墓が撤去されてしまいます。お墓が撤去された後は、ご遺骨は他の無縁仏と一緒に合祀されるのが一般的です。
いったん合祀されてしまうと、もう取り出すことはできません。故人様のご遺骨を取り出せなくなると困る、という場合には、寺院からの連絡を放置しないことです。
公営の墓地では勝手に撤去されることはあまりない
お寺では墓地の区画にも限りがあるため、お墓を放置すると無縁仏として撤去されてしまいますが、公営の墓地や民間の霊園では、すぐに撤去されることは少ないです。
というのも、公営の墓地には税金が使われていますので、撤去するときにも税金を使うことになってしまいます。
予算に限りがある中で、無縁仏が出るたびに撤去しているわけにはいきません。ですから、放置したからといってすぐに撤去される可能性は少ないです。
民間の霊園でも、空きがあればすぐに撤去されることはないでしょう。
ただし、それがお墓を放置して良い理由にはなりませんし、管理費を滞納していれば当然支払わなくてはなりません。場合によっては撤去されることもありますので、早めに対処したいところです。
お墓の管理ができない時に墓じまいをした方が良いケース
お墓の管理が難しくなってきたとき、墓じまいをするのか、このままなんとか管理を続ける方法を探すのか迷ったら、お墓の管理が負担に感じるならば墓じまいをした方が良いです。
具体例についてお話ししますので、以下の例に該当する方は、墓じまいを検討した方が良いでしょう。
高齢でお墓参りが難しいとき
高齢になると、定期的にお墓参りをすることができなくなる人が多いですから、本当に行けなくなってしまう前に、墓じまいをした方が良いです。
お墓参りをしたいという気持ちがあっても、健康上の理由などで難しくなってくることがあります。お墓の管理は、周りを掃除したり、お水を運んだりと肉体的にきついこともあり、高齢の人が適切な管理を続けていくことはなかなか大変です。
それならば墓じまいをして、より自分に適した供養の方法を考えた方が良いでしょう。
管理費などの負担が厳しくなってきたとき
お墓の管理費はお寺によって幅がありますが、数千円~15,000円ほどが相場です。管理費だけならそれほど高額ではないですが、お墓参りのたびに交通費やお布施など別途費用がかかります。
お墓参りが年に1回だとしても、それなりに費用がかかります。それがこの先もずっと続くことがつらいと思う場合は、墓じまいを検討しても良いでしょう。
引っ越し等でお墓が遠くなってしまったとき
たとえば、北海道に住んでいて地元にお墓のあった人が東京に引っ越してしまったら、お墓参りをするのは大変です。往復の交通費だけでもバカになりませんし、家族みんなでお墓参りとなると、相当な費用がかかるでしょう。
年齢が高くなるほど、通うこと自体も大変になってくるはずです。放置する時間が長くなるとお墓もどんどん荒れてしまいます。
それならば墓じまいをして、近くに新たにお墓を作るか、別の供養の方法を検討することをおすすめします。
お墓の継承者がいないとき
自分が適切なお墓の管理をしていても、お墓を継承してくれる人がいない場合には、自分がいなくなったあとに無縁仏になってしまう可能性が高いです。
誰も管理しなくなってから無縁仏になってしまうのは悲しいですから、自分が元気なうちに墓じまいをしておいた方が良いでしょう。
子供や孫に負担をかけたくないとき
昔であれば、子供がお墓を継ぐべきものという考え方が一般的でしたが、現代では必ずしもそうとはいえません。
むしろ、お墓の管理をさせることによって子供や孫にいらない負担を敷いてしまうということを気にする人も増えています。それならば今のうちに墓じまいをした方が良いです。
特に、遠くにあるお墓に通うなどして自分がお墓の管理で苦労した人は、子供達に同じ思いをさせたくない、負担をかけたくないと思う人が多いでしょう。
自分が元気なうちに墓じまいをしておこうと思うのは当然かもしれません。
ただし、負担だと思っているのは親の方だけで、子供や孫は自分たちの手で管理をしていきたいと思っている場合もあります。
独断で墓じまいを決めるのではなく、家族や親戚とよく話し合って決めることが大切です。
檀家としてのつとめが難しいとき
お寺にお墓があると、管理費を払う以外にもさまざまな負担があります。檀家として定期的な法要に参加しなくてはなりませんし、お寺の維持管理の費用としてお布施をお渡しする必要もあるでしょう。
檀家である以上、お寺とのお付き合いは必要なことなので、避けることはできません。それが負担だと感じる場合には、将来的に墓じまいを検討した方が良いのかもしれません。
墓じまいをしない場合に今後生じる負担とは
お墓の管理がしづらくなってきた状態で墓じまいをせずにいると、今後どうなるのでしょうか?
以下のようなことが考えられます。
- 掃除などが行き届かなくなり、お墓が荒れる
- 管理費やお布施などの支払いは続く
- 檀家としてのつとめも果たさなくてはならない
お墓は、単にお参りすれば良いというものではないのです。お寺にお墓があることによって金銭的にも負担が生じますので、それも含めて管理していけるのかどうかを良く考える必要があります。
負担が大きいと感じるなら、早めに墓じまいを検討しましょう。
お墓を放置せずに墓じまいをする方法
そうはいっても、墓じまいをどのように進めたらいいのか分からず、お墓を放置してしまっている人もいると思います。
そこで、墓じまいをするまでの流れについて簡単に説明します。
親族でよく話し合う
まず、今後のお墓のあり方について、家族、親戚で良く話し合うことが大切です。
自分では管理が難しいと思っていることでも、もしかしたら、お墓を継ぎたいという人が出てくる可能性もあります。それならば、墓じまいをしなくても済むかもしれません。
誰も管理する人がいないとなった場合、墓じまいをすることについてみんなに納得してもらってから話を進めていきます。
次の供養の方法を探す
墓じまいをすることが決まったら、次は改葬先を決めます。
- 新しく別の場所にお墓を建てる
- 永代供養墓を探す
- 納骨堂に移す
- 散骨をする
- 樹木葬にする
- 手元供養にする
などの方法があります。
今のお墓の管理は難しくても、場所を移せば管理ができるようになることもありますし、それも難しい場合には永代供養という方法があります。
永代供養とは、最初に永代供養料を払うと、お寺や霊園が一定期間、家族に代わって供養をしてくれる方法です。
他の方と合祀になることが多く、また、永代供養といっても未来永劫管理をしてもらえるのではなく、三十三回忌などの節目までの管理となるのが一般的です。
もしくは、散骨をしてお墓が残らないようにする供養の方法もあります。どのような方法ならみんなが納得するのか、これも親族でよく話し合いましょう。
寺院に相談する
墓じまいをすることが決まったら、菩提寺に話をします。墓石を撤去しご遺骨を取り出しますので、お寺に話をして工事の日取りなどを決めなくてはなりません。
ただし、このとき注意して欲しいのが、いきなり「墓じまいをします」と伝えるのではなく、管理が難しくなってきたことについて「相談する」という形にした方がよいということです。
お寺としては檀家が減るわけですから、墓じまい自体あまり歓迎する話ではありません。今までずっとお墓を管理してきたのに、いきなり「墓じまいをします」を言われると、態度を硬化させてしまう可能性もあります。
ですから、相談という形で、お墓の管理ができないため、別の方法を検討していると丁寧に話をすることをおすすめします。
墓じまいの工事を行う業者を探す
墓じまいをする際には、墓石を撤去して更地に戻す工事をしてくれる業者が必要です。石材店に依頼することが多いですが、いくつかの業者に見積もりを出して、料金を比較検討しましょう。
ただし、中にはお寺が指定した業者しか利用できない場合があります。その場合には別の石材店に見積もりを出すことが難しいため、法外な工事料金とならないよう、詳細な見積もりをもらって、料金の中身をよくみることが大切です。
行政手続きを進める
墓じまいについてお寺にも納得してもらったら、行政手続きも進めていきます。
お墓を移すには、今お墓のある寺院や霊園から埋葬証明書を、次の改葬先から受け入れ証明書をもらいます。
その2つの書類と改葬許可申請書を役所に提出すると、改葬許可証が発行されます。この書類があって初めて、墓じまいができるのです。
墓じまいをして改葬する
書類も揃ったら、いよいよ工事です。工事の前には閉眼供養が必要です。お墓を建てるときに開眼供養をしているはずですので、故人の魂を抜いて墓石をただの石に戻す儀式が必要なのです。
閉眼供養をしないと工事を引き受けてくれない業者も多いので、きちんとやっておくべきでしょう。
閉眼供養と工事の日は同じでも構いません。何度も集まるよりも一度に行った方が時間の短縮にもなります。
工事の日と閉眼供養の日をうまく調整しておくと、墓じまいがスムーズに進められます。
墓じまいのトラブルを防ぐために大切なこと
墓じまいはやり直しが効かないため、順を追って丁寧にことを進めないと、思わぬトラブルになることがあります。トラブルを防ぐためには、このようなことに注意してください。
親族間でよく話し合うことが大事
なによりもまず、話し合いが必要です。お墓や宗教の問題はとてもデリケートで、理屈で割り切れるものではありません。
お参りする場所がなくなってしまう、手を合わせることができなくなってしまうことに抵抗を感じる人は少なくないのです。
お墓の管理が難しくなったからといって強引に話を進めてしまうと、親戚間で亀裂が生じ、もう2度と会わない!と思うほどに仲が悪くなってしまうこともあります。
そんなことにならないよう、みんなが納得できる形を探り、時間をかけて話し合うことがとても大切です。
お寺にもこれまでの感謝を伝えること
何代にもわたってお墓を管理してもらっていたというおうちもあるはずです。それを、「お墓参りできないから」と一方的に墓じまいを伝えてしまっては、お寺側としても割り切れない想いになってしまうということを理解しなくてはなりません。
これまでお世話になったことに対して、深い感謝の気持ちを伝える。そういった姿勢がないと、法外な離檀料を請求されるといったトラブルに発展することがあります。
お墓を維持できない事情ができたとしても、感謝の気持ちを忘れてはならないでしょう。
まとめ
高齢になりお墓参りが難しくなったり、遠くに引っ越してしまったためになかなか行けなくなってしまったという場合に、お墓を放置しておくと、手入れもされなくなりどんどん荒れていきます。
そしていずれは無縁仏になってしまいます。
無縁仏になると、お墓は撤去され、他の無縁仏と一緒に埋葬されることになり、もう2度とご遺骨を取り出すことはできなくなってしまいます。
そのような事態を防ぐためには、元気なうちに墓じまいを検討した方が良いでしょう。そのお墓を管理できないなら、無理せず供養できる方法を探すことをおすすめします。
墓じまいをするかどうかは家族や親族とよく話し合い、その後の改葬方法も含めてみんなが納得する方法を探してください。
この記事の監修者
天井 十秋
大阪・東京を始め、全国で「粉骨」や「散骨」など葬送事業を10年間以上携わっている天井十秋です。
ご遺骨の専門家として多くの故人様の旅立ちをサポートさせていただいております。
ご遺族様や故人様の想いに寄り添った、丁寧な対応と粉骨をお約束いたします。
ご供養のことでお悩みがございましたら、是非お気軽にご相談ください。