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永代供養のお布施はいくら?お墓の費用の相場なども解説

永代供養とは、お墓参りができない人のために、寺院や霊園が代わりに供養をしてくれる埋葬の方法です。

 

基本的に年忌法要などが必要なく、全面的に管理を委託できますので、身寄りのない方やお墓を管理することが難しくなってきた人でも安心して供養ができます。

 

法要が不要というと、気になるのがお布施です。通常の埋葬のように寺院や霊園にお布施はいらないのでしょうか?

 

永代供養の場合でもお布施が必要になる場合があります。

 

どのような時にお布施が必要になるのか、お布施の相場、渡し方のマナーなどについて詳しく解説します。永代供養を考えている人は、ぜひ参考にしてください。

 

永代供養でも行う法要のタイミング

永代供養のお布施はいくら?お墓の費用の相場なども解説

永代供養が、お墓の管理が難しくなった時にお願いするものだとはいっても、年忌法要ができなくなるということではありません。

 

法要をきっかけに、家族や親族が集まることができるなら、個別に行ってもらうことも可能です。

 

個別に年忌法要を行うタイミングは以下の時期となります。

 

四十九日や百箇日法要

 

お葬式の後、四十九日や百箇日法要を機に納骨する場合が多いです。

 

永代供養であっても納骨をするのであれば納骨式を行いますし、個別墓を用意した場合には開眼供養も必要です。

 

僧侶に読経をしてもらいますから、そのときにお礼としてお布施をお渡しします。

 

年忌法要

 

年忌法要とは命日に行う法要のことで、一周忌や三回忌など定められた年に行う追善供養のことです。

 

  • 一周忌
  • 三回忌
  • 七回忌
  • 十三回忌
  • 十七回忌
  • (以降、3と7のつく年)
  • 五十回忌
  • 百回忌

 

と13種類あります。

 

一般的に、親族や知人を招いて行うのは三回忌までが多く、それ以降の法要は家族のみで行うことが多いです。

 

永代供養は、これらの年忌法要も寺院や霊園に任せられることが大きなメリットですので、家族や親族と話し合い、集まるのが難しい時には無理して行う必要はありません。

 

祥月命日

 

祥月命日とは、亡くなった日と同じ年月日のことです。5月15日に亡くなった場合は、その日が祥月命日となります。

 

祥月命日は故人様の好きだったものなどをお供えし、お墓参りをしたり、難しい場合には家で仏壇に手を合わせるなどして、故人様を偲びます。

 

月命日

 

月命日とは、祥月命日を除くそれぞれの月の亡くなった日を指します。

 

5月15日に亡くなった場合、5月15日は祥月命日、それ以外の月の15日が月命日となりますので、年に11回あるということです。

 

月命日も祥月命日と同様に、追善供養を行いますが、永代供養であれば月命日も供養を行ってくれるケースがあります。

 

手厚く供養したい方は、月命日の供養もしてくれる寺院を探すと良いでしょう。

 

新盆(初盆)は家族や親族と相談してから

 

新盆は、四十九日を過ぎた後に初めて迎えるお盆のことです。

 

夏休みの時期でもありますので、親族や友人も招いて法要を行い、精進料理でおもてなしをする場合もあります。

 

ただし、最近では夏休みの時期がずれていることや、暑さの厳しい時期に年配の人が移動するのは難しいこともあり、日程調整がうまくいかないこともあります。

 

新盆で大勢が集まっての供養が必要かどうかは、家族や親戚とよく話し合って決めるようにしましょう。

 

永代供養のお布施の相場

永代供養のお布施の相場

永代供養の場合は年忌法要のお布施分が最初に支払う永代供養料に含まれている場合があります。金額の内訳も確認すればわかります。

 

しかし個別に年忌法要などを行う場合は、永代供養料にお布施分が含まれていたとしても、それとは別にお布施をお渡しする必要があるでしょう。

 

お布施はいくらお渡しすれば良いのか迷う人も多いですが、お布施はお墓を管理してもらうことに対する感謝の気持ちを表すためのものです。

 

気持ちなので、金額が決まっているわけではありません。

 

お布施の相場は3万円~5万円ですが、これはあくまでも目安です。お墓のスタイルや規模にもよりますし、年忌法要をお願いする場合にはもう少し多めにお渡しすることもあります。

 

法要の際に自宅に来ていただくなら、お車代や御膳料として5,000円~10,000円をお渡しします。これはお布施とは別のものです。

 

お布施を渡すときのマナー

 

永代供養料とは別にお布施をお渡しする時のタイミングやマナーについて、お話しします。

 

支払い方法を確認する

 

昔は、お布施をお渡しするのは手渡しでしたが、場合によってはお布施が非常に高額になることから、最近では銀行振込を利用している寺院や霊園も増えてきました。

 

手渡しの場合は法要の当日にお渡しすれば良いですが、振込の場合、いつまでに振り込めば良いか、お寺に確認した方が良いでしょう。

 

支払い方法を聞くことは失礼ではありませんので、事前に聞いても大丈夫です。

 

お布施をお渡しするタイミング

 

当日、手渡しでお布施をお渡しする場合、法要の前か後かで迷うと思います。

 

法要が始まる前に時間があり、僧侶と顔を合わせることができるならその時に渡しましょう。「本日はお世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。」とご挨拶をします。

 

もし時間がないときは、終わってからでも問題ありません。「本日は無事に法要を終えることができました。ありがとうございました」と挨拶しましょう。

 

合同法要など規模の大きな法要で、僧侶と直接顔を合わせて挨拶する時間を取ることができない時は、受付でお渡しするようにします。

 

手渡しする方法

 

法要の当日に手渡しする場合は、封筒のまま手渡しするのは失礼だとされています。

 

切手盆と呼ばれる、小さな黒いお盆があります。お布施を載せるためのお盆ですので、ここに載せてお渡しします。

 

切手盆がない時は袱紗に乗せてお渡しします。

 

渡す時は、表書きが相手から見て正面になるように、自分から見た時は逆さにしてお渡しするようにしてください。

 

とはいえ、切手盆も袱紗がなければ絶対にダメかというと、そうではありません。お布施は感謝の気持ちを表すものですから、お渡しするときの気持ちや態度が何よりも大切です。

 

どちらも用意できなかったときでも、供養していただいてありがとうございますという気持ちを込めてお渡しすれば大丈夫です。

 

お布施の封筒

 

お布施を入れる封筒は、基本的に白無地のものを選ぶようにします。郵便番号欄などがないものです。

 

水引はないのが理想ですが、あっても問題ありません。

 

お布施の表書・裏書

 

封筒の表書は、「お布施」または「御布施」とかきます。

 

もしくは、「永代供養料」「供養料」と書く場合もあります。その時の法要にあわせて適切なものを選びましょう。

 

浄土真宗ではそもそも「供養する」という考え方がないため、「永代経懇志」と書きます。

 

封筒の裏には、住所と金額を書きましょう。

 

法要の時の表書は薄墨で書く必要はありません。また、突然の不幸ではないため、お札は新札でも大丈夫です。

 

お布施の本来の意味

お布施の本来の意味

お布施は僧侶への感謝の気持ち、お礼の意味があるとお話ししましたが、仏教でのお布施は、本来「施しを与える」という意味があります。

 

「六波羅蜜(ろくはらみつ)」という仏教での修行の一つで、人に施しを与えることによって徳を積むのです。

 

お布施には、以下の3種類があります。

 

  • 財施(ざいせ):お金、衣服、食料などの物資的な施しを与えること
  • 法施(ほうせ):仏様の教えを説き、読経をすることなど
  • 無畏施(むいせ):畏怖(恐れる気持ち)、不安を取り除いて安心感を与えること

 

法要の際にお金をお渡しするのは、このうちの「財施」にあたります。

 

読経してくださったことへの報酬ではなく、僧侶を通して御本尊に対して捧げているものなのです。そして読経は、「法施」にあたります。

 

つまり、こちらからはお布施という形で物質的な施しを、僧侶からは読経という形でのお布施をいただき、お互いに施しあっているということなのです。

 

だからといって、お布施はたくさん包めば良いというものではありません。お布施の本来の意味を考えれば無理をしてまで包む必要はなく、相場を考慮しつつ身の丈にあった金額、家計に無理のない範囲でお渡しすれば問題ないでしょう。

 

永代供養にかかる費用はどのくらい?

 

永代供養にかかる費用の中に、開眼供養のお布施などが含まれていることが多いです。

 

では、総額でどのくらいの費用がかかるのか、相場を見てみましょう。

 

永代供養の費用に含まれるもの

 

費用の内訳は、

  • 永代供養料
  • お布施
  • 刻字料

の3つです。

 

「永代供養料」だけの表示のこともありますし、内訳が書かれている場合もあります。

 

何が含まれているのか、詳細を確認することが大切です。

 

永代供養料の相場

 

永代供養料には、

  • 墓地の使用料
  • お墓の維持管理費

などが含まれます。

 

永代供養の費用の相場は10万円~150万円とかなり幅があるのですが、これはお墓の種類によって違いが出ます。

 

最も費用がかかるのは個別墓です。通常のお墓と同じように、故人様おひとりに対して1つのお墓を建てるので、100万円ほどかかることもあります。永代供養料とは別に墓石の費用がかかる場合があるので、費用については詳細を確認することが大切です。

 

集合墓は、納骨するスペースは個別になっているのですが、石碑がひとつになっているタイプのお墓です。個別墓よりは料金が低めで、10万円~30万円ほどです。

 

最もリーズナブルなのは合祀墓です。最初から他の方と一緒に納骨されますので、費用は5万円~10万円ほどです。

 

その他の費用の相場

 

お布施は先ほども説明した通り、3万円~5万円くらいが相場です。

 

刻字料とは、墓石に名前を掘ってもらうための費用ですが、こちらは3万円程が相場です。

 

これに、上記の永代供養料を合わせたものが、永代供養にかかる費用の総額となります。

 

お墓のタイプによってかなり費用に幅が出ますので、予算と相談しつつ、個別墓にするのか、集合墓や合祀墓にするかを考えます。

 

永代供養墓で注意すること

永代供養墓で注意すること

なかなかお墓参りに行けない、お墓の管理が難しいという人にとっては、永代供養はとてもありがたい、メリットの大きな供養の方法です。

 

ただし、以下のデメリットがあることも理解しておくことが大切です。

 

個別に埋葬してもいずれはすべて合祀される

 

個別墓や集合墓を選んだ場合でも、三十三回忌など一定の期間供養が終わったら、合祀されることがほとんどです。永代供養といっても、未来永劫、代わりに供養してくれるわけではありません。

 

もし、個別で供養してくれる期間を過ぎても、これまで通りの永代供養を望む場合には、別途契約を結ぶ必要があるでしょう。

 

または、別の永代供養墓を探さなくてはならないかもしれません。最初の契約で、一定期間経過後のご遺骨の取り扱いがどうなっているのか、きちんと確認しておくことが大切です。

 

合祀されるとご遺骨は取り出せなくなる

 

最初から合祀墓を選ぶ場合はもちろん、個別墓や集合墓から合祀された場合でも、いったん合祀されてしまうと、ご遺骨を取り出すことはできなくなります。

 

他の方のご遺骨と一緒になってしまいますので、誰のご遺骨かを特定することはできません。

 

もし、あとあと別のお墓に移したくなった場合や、分骨したいという人が出てきた時など、ご遺骨を取り出す必要が生じた時に、親族同士でトラブルになる可能性もあります。

 

親族に反対される可能性がある

 

永代供養は最近増えてきた供養の方法です。古くからの、ご先祖さまのお墓に入ることが普通だと思っている世代の人にとっては、なかなか理解されない可能性があります。

 

いずれ合祀されてしまうとなると、なおさら反対する人もいるでしょう。

 

お墓やご遺骨のことは、とてもデリケートな問題であり、理屈で割り切れるものではありません。

 

くれぐれも、こちらの意見を押し付けないようにし、なぜ永代供養にするのか、理由をしっかりと説明した上で、お互いが納得できるまで話し合うことがとても大切です。

 

まとめ

 

永代供養のお布施は、基本的には永代供養料に含まれていますが、年忌法要など個別に行いたい場合には、別途お渡しします。

 

お布施は読経していただくことへの感謝の気持ちを表すものですから、定額はありません。相場は3万円~5万円ほどですが、自宅に来ていただく時にはお車代や御膳料もお渡ししましょう。

 

お布施をお渡しする時は、支払い方法を事前にお寺に確認しておきます。金額が大きくなる場合もあり、振込で対応しているお寺もあるからです。

 

永代供養はお墓のタイプによって費用もかなり幅があります。また、一度合祀してしまうとご遺骨を取り出すことができませんので、親族でよく話し合って決めましょう。

この記事の監修者

株式会社Aクルーズ代表「天井 十秋」

天井 十秋

大阪・東京を始め、全国で「粉骨」や「散骨」など葬送事業を10年間以上携わっている天井十秋です。
ご遺骨の専門家として多くの故人様の旅立ちをサポートさせていただいております。
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