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自宅での骨壺を置き方とは?正しい飾り方や供養方法について
ご遺骨を自宅に置く際には、置き方に決まりがあるのでしょうか?最近では仏間や仏壇のないお宅も増えています。そのような場合、ご遺骨をどのようにおいたら良いのか迷っていませんか?
自宅にご遺骨を置いても問題ないのか、正式な置き方や飾り方があるのかなど、仏壇などにご遺骨をおくときの方法について解説します。ご遺骨を自宅に置く際にはいくつかご注意いただきたいこともありますので、ぜひ参考にしてください。
自宅に遺骨を置いても問題ない?
自宅にご遺骨を置くことは、何ら問題ありません。法律に違反することもありませんので安心してください。
ただし、置くことは問題ありませんが、埋めることは認められてないため注意してください。
「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」という法律がありますので、墓地など決められた場所以外にご遺骨を埋めることは禁止されています。ですから、自宅の庭などに勝手に埋めてはいけないのです。
ただしこの法律は、納骨する場所についての決まりであり、必ずしも納骨しなければならないということではありません。室内に置いておくだけなら大丈夫です。
自宅にご遺骨を置くメリット
墓地に納骨せず、仏壇などにご遺骨を置くメリットは、まず経済的な負担の軽減があります。
新たにお墓を建てれば、数百万円の費用がかかります。公営の霊園やロッカー式の納骨堂などはやや費用を抑えることが可能ですが、それでも数十万円かかってしまうでしょう。
しかしご自宅の仏壇に安置するなら、そこまでの費用はかかりません。
また、ご遺骨が近くにあることで、故人様を身近に感じることができます。突然のことで気持ちの整理をつけるのに時間がかかる方もいらっしゃいます。
そのような時は無理に納骨せず、しばらく手元に置いて心ゆくまで故人様を偲ぶという方法もよいでしょう。
自宅にご遺骨を置くデメリット
デメリットとしては、自宅にご遺骨があることをよく思わない人もいるということです。
同居の家族はもちろん、親戚からも「なぜ早く納骨しないのか」と言われるかもしれません。
供養の方法は人それぞれですが、ご遺骨はお墓に入れるのが常識だと思っている人も少なくないため、自宅に置くことに反対する人もいるでしょう。そのため、自宅に置くと決める前に、よく話し合うことが大切です。
自宅の仏壇や祭壇に遺骨を飾る方法
自宅でご遺骨を保管する方法はいくつかありますが、ここでは置く前にやるべきことと、置き方(飾り方)について解説します。
今は仏間のある家は少なくなっているため、リビングや寝室に置く方が多くなっています。
ご遺骨を安置するのに適した場所
仏間があれば、仏間に安置するのが最も適しています。なければ、和室の一角に専用のスペースを設けるのが良いでしょう。
もし洋間しかない場合には、リビングや寝室でも大丈夫です。リビングは家族が集まる場所ですから、ご遺骨に毎日手を合わせるのに適した場所の一つです。
ただし小さいお子さんがいる場合には、リビングよりも寝室の手に届かない場所の方が良いでしょう。
また、来客が多いお宅は、リビングにご遺骨を安置しておくとたくさんの人の目に触れることになります。中には快く思わない方もいらっしゃいますので、寝室などプライベートな空間に置いた方が安心です。
なお、ご遺骨のそばでろうそくや線香を使う場合は、カーテンなどに引火しないように気をつけます。
粉骨をして骨壷のサイズを小さくする
骨壷は、そのままですとかなりの大きさがあります。一定期間ののち、お墓に納骨する予定で、自宅に置いておく期間が短い場合にはそのままでもよいですが、ある程度長い期間自宅に安置するのなら、コンパクトな骨壷にすることをおすすめします。
ご遺骨を粉骨すれば、元の容量の3分の1ほどまで小さくすることができます。
粉骨は自分でもできますが、時間もかかりますし、精神的なダメージも大きいです。専門の業者に任せましょう。費用は1万円~2万円ほどで、ご遺骨の量によって違いがあります。
粉骨したご遺骨を真空パックにする
ご遺骨は環境によってはカビが生えやすいため、真空パックにしておくと安心です。粉骨した後に真空パックにしてくれる工程がある粉骨業者を選ぶと良いでしょう。
家の中が高温多湿になりやすいなど温度や湿度管理が難しい場合、真空パックにすることで大切なご遺骨が傷むのを防げます。
仏壇に骨壷のまま置く
仏壇は本来、ご先祖さまや本尊を祀る場所であり、骨壷を置くためのものではありません。心の安寧のため、信仰の場所として置いてあるものであり、お寺に行かなくてもご先祖さまに手を合わせることができる場所でもあります。
しかし最近では、骨壷を入れられるようになっている仏壇もあります。このような形のものであれば、仏壇にご遺骨を安置することもできるでしょう。
仏壇がない場合や床に遺骨を置くことに抵抗のある方は、ミニ仏壇や小さな台を用意したり遺骨を加工して飾ったりして自宅安置することをおすすめします。
後飾り祭壇を仏壇がわりに使う
火葬してから納骨するまで、自宅でご遺骨を安置するための後飾り祭壇に骨壷を安置する方法もあります。
一般的には四十九日で解体し、納骨をしますが、このまま後飾り祭壇を仏壇がわりにしてご遺骨を保管しても問題ありません。
骨壷専用の台を作る
仏壇がない、もしくはあっても仏壇の中にご遺骨を安置するのは抵抗があるという方は、骨壷をおくための台を設置しても良いでしょう。
後飾り祭壇を参考に台を作り、白い布をかぶせて骨壷と遺影、お供物を置きます。場所は静かに手を合わせることができる場所であればどこでも良いです。
置く場所がない時は手元供養品にする
仏壇や仏間がなくても問題ありません。手元供養品にするという方法があります。ネックレスやペンダント、指輪、ブレスレットなどに粉骨したご遺骨を入れて、アクセサリーとして身につけるのです。
もしくは、手元供養専用の台を設置してご遺骨を安置する方法もおすすめです。
後飾り祭壇でご遺骨を供養する方法
納骨することが決まっていても、一定期間は自宅でご遺骨を安置するのが一般的です。その安置する台を後飾り祭壇といいます。
このように安置しなくてはならないという明確な決まりはありませんが、一応宗教ごとに目安がありますので、配置の方法などをご紹介します。
仏式
仏式の後飾り祭壇は、二段式と三段式があります。どちらでも構いません。
二段式
- 上段:ご遺骨、遺影、仮位牌
- 下段:香炉、おりん、ろうそく
三段式
- 上段:ご遺骨
- 中段:供花、遺影
- 下段:ろうそく、香炉、おりん、仮位牌
ただし、浄土真宗は他の宗教と若干違いがありますので、注意が必要です。浄土真宗では、人が亡くなるとすぐに仏様になると考えられています。すでに浄土に行かれているため、祭壇に飾るのはご遺骨、遺影、位牌です。
お線香やろうそくは仏壇におき、祭壇には置かないようにします。
神式
神式にも二段式と三段式があります。
二段式
- 上段:ご遺骨、遺影、霊璽(れいじ)
- 下段:榊、お酒・水・米・塩などを入れる三方、玉串、ろうそく
三段式
- 上段:ご遺骨、遺影
- 中段:霊璽(れいじ)、榊
- 下段:お酒・水・米・塩などを入れる三方、玉串、ろうそく
基本的には片足に4本ずつ脚をつけた八足の祭壇を使います。これを仮霊舎(かりみたまや)といいます。ただし、仏式のように階段式の祭壇を使ってもOKです。
キリスト教式
キリスト教に関しては、仏教のように後飾り祭壇についての決まりがないため、二段式で祭壇を作るのが一般的です。
二段式
- 上段:ろうそく、十字架
- 下段:ご遺骨、遺影、供花、パン
お供えするものはパンでなくても良いです。故人様が好きだったものをお供えしましょう。
後飾り祭壇を処分するとき
納骨するときには、後飾り祭壇を処分します。可燃ゴミ、不燃ゴミの分別ルールに従い、仕分けをします。
ただし、短い期間とはいえ故人様のご遺骨を安置していた台をゴミとして処分することに抵抗を感じる人もいると思います。
その場合は、お葬式を依頼した葬儀社に相談してみてください。場合によっては引き取ってくれることもあります。
もしくは、捨てずに取っておいても良いのです。一周忌や三回忌などの法要で使用しても良いですし、手元供養の台としても利用できるからです。
わからないことは葬儀社に相談しよう
お葬式を執り行うだけでなく、お葬式に関することなら色々とサポートしてくれる葬儀社も増えています。お葬式の準備を依頼するときに、後飾り祭壇についても相談してみると良いでしょう。
後飾り祭壇が含まれたプランがあれば、必要なもの一式揃っており、飾りつけまでしてくれます。
もし最初から組み込まれているプランがなくても、オプションでセットできる葬儀社が多いですから、わからなければ聞いてみましょう。後々いらなくなるものですから、レンタルしている葬儀社もあります。
後飾り祭壇は、先ほども説明したように明確な決まりのないものです。ご紹介した飾り付けの方法はあくまでも目安ですので、こうしなければならないというものではありません。
こんな風に飾り付けをしたいなどの要望があれば、それも葬儀社に相談してみてください。
大切なのは、故人様を思う気持ちです。あまり形式にこだわることなく、供養しやすい形を考えれば良いでしょう。
自宅でご遺骨を供養するときに注意すべきこと
ご遺骨を自宅で供養することには何ら問題はありませんが、保管の方法などで注意して欲しいことがあります。
自宅で安置することについて親族の了解を得る
納骨するまでなど、通常の期間自宅に置くのであれば特に問題ありません。ただし、四十九日を過ぎても自宅に置きたいと考えているなら、同居の家族だけでなく、親族とも話し合いが必要です。
親戚の中には、ご遺骨は当然墓地に埋葬すべきものと考えている人もいます。そのような方からすれば、ずっと家でご遺骨を保管するなどあり得ない話だからです。
ご遺骨に関することは、理屈で割り切れることではありません。分骨や粉骨などご遺骨を分ける方法も含めて、関係する人たちがみな納得するようしっかりと話し合いをすることがとても大切です。
菩提寺に伝えておく
まず、菩提寺がある方は、自宅で安置したいということを伝えておいた方が良いでしょう。お寺側としては当然納骨をするものだと思っていますので、もししばらくその予定がないのであれば、きちんと伝えておいた方が今後の法事の相談などもしやすいです。
状況によっては予定よりも早く納骨する可能性もあります。後々も良い関係性を築いていくためにも、きちんと話をしておくことをおすすめします。
ご遺骨を置く場所は高温多湿を避ける
ご遺骨はカビが生えやすいため、直射日光が当たらず、風通しの良い涼しい場所に置きます。
リビングでも寝室でも高温多湿にならない場所であれば良いのですが、窓の近くには置かないようにします。窓際は結露が発生しやすいためです。
- キッチン
- 浴室の近く
- 押し入れ
などはご遺骨の保管場所としてあまり適していません。
また、玄関も人目に触れる場所ですから、ご遺骨を置く場所として適しているとはいえないでしょう。
ペットや子供の手の届かないところに置く
温度などの環境が適した部屋でも、落下の恐れがある場所は避けましょう。
ペットや小さいお子さんがいる家庭では、手の届かない場所に置くようにしてください。
将来的にご遺骨をどうするのかも家族でよく話し合う
自分が元気でいる間は、ご遺骨をしっかり管理できるでしょう。
しかし、いつ何があるかわかりません。万が一のことがあったとき、自宅で安置しているご遺骨をどうすれば良いのか、家族や親戚と話し合っておく必要があります。
誰も継いでくれる人がいないのであれば、永代供養墓を探すか、散骨するか、別の供養の方法も探しておかなくてはならないでしょう。
まとめ
ご遺骨を自宅で供養するのは何ら問題ありません。仏壇や仏間のあるお宅も少なくなっていますが、リビングや寝室など、直射日光の当たらない涼しい場所で保管すれば大丈夫です。
ご遺骨は、一般的には四十九日まで自宅に安置し、その後納骨を行いますが、一周忌や三回忌まで安置される方もいらっしゃいます。
もちろん、それ以降でも自宅で供養することは可能です。仏壇の横に安置する台を作ったり、後飾り祭壇をそのまま使用している人もいます。
後飾り祭壇は、特に置き方に決まりがあるものではありません。今回は宗教別に置き方の例をご紹介しましたが、必ずしもそうしなくてはならないというものではないので、あまりこだわらなくても大丈夫です。大切なのは、故人様を思う気持ちです。
この記事の監修者
天井 十秋
大阪・東京を始め、全国で「粉骨」や「散骨」など葬送事業を10年間以上携わっている天井十秋です。
ご遺骨の専門家として多くの故人様の旅立ちをサポートさせていただいております。
ご遺族様や故人様の想いに寄り添った、丁寧な対応と粉骨をお約束いたします。
ご供養のことでお悩みがございましたら、是非お気軽にご相談ください。