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自宅供養とは?知っておきたいメリット・デメリット・種類を徹底解説

近年、従来のお墓に遺骨を納める供養方法だけでなく、故人の遺骨を自宅で保管し、身近な場所で供養する「自宅供養」が注目を集めています。

 

その背景としては、ライフスタイルや価値観の多様化、経済的な理由、そして故人をより近くで感じたいという遺族の思いなど、さまざまな要因が考えられます。「故人をいつも身近に感じたい」「自分らしい方法で供養したい」そんな想いをお持ちの方にとって、自宅供養は新たな選択肢となるかもしれません。

 

そこで今回は、自宅供養の基本的な知識から具体的な方法、メリット・デメリットなどについて、詳しく解説します。

 

Contents

自宅供養とは?自宅供養の特徴

 

「自宅供養」とは、故人の遺骨を自宅で保管し、身近な場所で供養する方法です。従来の墓地に納骨する供養方法とは異なり、自分のライフスタイルに合わせた自由な供養ができる点が特徴です。

 

自分のライフスタイルに合った方法で供養ができる

 

自宅供養の最大のメリットは、自分のライフスタイルに合った供養ができることです。

 

コンパクトな供養スペースを作ることができますから、大きな仏壇やお墓を用意する必要がなく、ミニ仏壇やミニ骨壺を使用することで省スペースでの供養ができます。

 

供養のタイミングを自由に設定できます。たとえば、毎朝手を合わせたり、特定の日にお花を供えたりと、個人の習慣に合わせた供養が可能です。

 

また、お墓が遠方にある場合、頻繁にお墓参りに行くのは難しいですが、自宅供養なら常に故人をそばに感じることができます。

 

仏壇と自宅供養の違い

 

仏壇と自宅供養は混同されがちですが、実際には似て非なるものです。

 

項目 仏壇 自宅供養
供養の対象 故人の魂・位牌 遺骨(+位牌)
供養の方法 お線香やお経など伝統的な供養 手元供養や写真を飾るなど自由な供養
宗教の影響 宗派による影響を受けることが多い 宗派に関係なく供養可能
設置場所 仏間やリビングなど 供養スペースを自由に決められる

 

仏壇は位牌を祀り、伝統的な供養を行うのが一般的ですが、自宅供養は遺骨を手元に置く供養の方法であり、供養のスタイルがより自由であるといえるでしょう。

 

宗派に関係なく供養できる

 

一般的な供養では、仏教やその他の宗教・宗派によって供養方法が異なります。しかし、自宅供養は特定の宗派に縛られず、自由なスタイルで供養することができます。

 

たとえば、以下のような供養方法が考えられます。

  • 仏教徒の方:お線香を供えたり、ミニ仏壇に手を合わせたりする
  • キリスト教徒の方:十字架や聖書と一緒に供養スペースを設ける
  • 無宗教の方:遺骨をメモリアルグッズにして手元に置く

 

このように、宗派や宗教に関係なく、個人の信念に基づいた供養が可能です。

 

自宅供養は法令違反ではない

 

「遺骨を自宅に保管するのは違法なのでは?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、日本の法律では遺骨の自宅保管は違法ではありません。

 

日本の「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」では、遺骨を埋葬する際は許可を得た墓地に埋葬しなければならないと定められています。しかし、これは「埋葬」に関する法律であり、「自宅での保管」を禁止するものではありません。

 

遺骨を火葬した後には「火葬許可証」が「埋葬許可証」として発行されます。この埋葬許可証は、墓地に埋葬する際に必須の書類ですが、自宅供養では不要です。

 

日本国内では、自宅での遺骨保管に関する特別な制限は設けられていませんし、自治体による規制もありません。

したがって、適切に火葬を行っていれば、自宅供養自体は法令違反にはなりませんので、安心してください。

 

将来的にお墓に納骨することも可能

 

自宅供養を選択した場合でも、後からお墓に納骨することは可能です。そのときは、火葬の際に取得した埋葬許可証が必須となりますので、なくさないように注意してください。

 

しばらく、気持ちが落ち着くまで自宅供養にし、気持ちの整理がついた時点で、お墓に納骨することも選択肢の一つです。

 

その際、必ずしもお墓を建てる必要はなく、寺院や霊園が管理する「永代供養墓」に納めることもできます。

 

自宅供養を続けるか、将来的に納骨するかは自由に選択できるため、状況に応じて最適な方法を選ぶことができます。

 

自宅供養を選択する人が増えている理由

自宅供養を選択する人が増えている理由

近年、自宅供養を選択する人が増えている背景には、さまざまな社会的・経済的な要因が関係しています。従来の供養方法にとらわれず、自由で個人に合った供養を選ぶ人が増えているのです。

 

ここでは、自宅供養が選ばれる主な理由を詳しく解説します。

 

墓じまいをした後の選択肢として

 

近年、「墓じまい」をする人が増えており、その後の供養方法として自宅供養を選択するケースが増えています。

 

墓じまいとは、先祖代々のお墓を撤去し、遺骨を改葬(別の場所に移す)することを指します。お墓の管理を続けることが難しくなった際などに選ばれる方法です。

 

<墓じまいをする理由>

  • 少子化や核家族化によりお墓を継ぐ人がいない
  • お墓が自宅から遠く、頻繁にお参りするのが難しい
  • 墓地の管理費や清掃の負担を減らしたい

 

これらの理由から墓じまいをし、その後の供養の方法として、いつでもお参りしやすいようにと自宅供養を選ぶ人が増えています。

 

お墓を建てる費用を抑えるため

 

お墓を新しく建てるには大きな費用がかかるため、経済的な理由で自宅供養を選ぶ人も増えています。

 

<一般的なお墓の費用>

  • 墓石代:約100万円~300万円
  • 墓地使用料:都市部では50万円~200万円
  • 管理費:年間1万円~2万円

 

都市部ほどお墓を建てるのに高額な費用がかかり、墓石の種類や大きさにもよりますが、トータルで300万円~500万円かかることもあります。

 

これらの費用を負担できない、またはできるだけ抑えたいと考える人にとって、自宅供養は有力な選択肢になるでしょう。

 

その点、自宅供養なら供養の費用を大幅に抑えられます。

  • 小型の骨壺やミニ仏壇:数千円~数万円
  • メモリアルグッズに加工する:数万円程度

 

さらに、お墓を維持するための管理費も不要です。管理費は、年間で1万円~2万円程度ですが、毎年払うとなると負担が大きいものですから、それが節約できるのも大きなメリットでしょう。

 

また、将来的に納骨する予定がある場合も、すぐに高額なお墓を建てる必要がないため、費用を分散できるメリットもあります。

 

悲しみが癒えず埋葬する気になれない

 

家族が亡くなったばかりで、すぐにお墓に納骨する気持ちになれないという理由で、自宅供養を選ぶ人もいます。

 

亡くなった直後は、精神的なショックが大きく、すぐにお墓に納める決断ができないこともあります。ご遺骨を自宅で保管することで、「故人がそばにいる」と感じられ、心の支えになることがあります。

 

辛く悲しい時に、無理して納骨する必要はありません。仏教では「四十九日」や「一周忌」などの節目がありますが、それとは別に、自分自身が納得するまでの期間を設けることも大切です。

 

しばらく自宅供養を続けた後、「そろそろ納骨しよう」と自然に思える時が来るでしょう。その時に、納骨堂や永代供養墓、お寺への納骨を検討することもできます。

 

時間とともに気持ちの整理がついたら納骨すれば良いので、グリーフケアとして自宅供養をするという選択肢もありだということです。

 

ライフスタイルの多様化により自由な形の供養方法が増えている

 

現代は価値観が多様化し、伝統的なお墓にこだわらない新しい供養方法が広まっています。

 

「決められた形ではなく、故人らしい供養をしたい」と考える人が増加しており、供養の選択肢もその分増えているのです。

 

遺骨をペンダントやダイヤモンドに加工する「メモリアルジュエリー」やコンパクトな「ミニ仏壇」や「インテリア仏壇」が登場し、リビングなどに自然に置けるようになりました。

 

自宅供養に適したメモリアルグッズが充実してきていますので、自分らしい供養のスタイルを選べるでしょう。

 

自宅供養のメリット

自宅供養のメリット

自宅供養のメリットについて詳しく解説します。

 

いつでも故人を身近に感じられる

 

自宅供養の最大の魅力は、故人をいつでも身近に感じられることです。お墓に納骨すると、故人の遺骨は墓地に置かれるため、お墓参りの際にしか手を合わせることができません。

 

しかし、自宅供養であれば、日常生活の中でいつでも自由に供養ができます。

 

たとえば、朝起きたときや仕事から帰ったときに、「おはよう」や「ただいま」と声をかけることで、故人と心のつながりを感じることができます。

 

また、お墓参りはお盆や命日など特定の日に行うのが一般的ですが、自宅供養なら思い立ったときにお線香をあげたり、お花を供えたりできます。

 

故人が好きだった写真や愛用品を供養スペースに飾るなど、形式にとらわれず、自分のペースで故人を偲びたい人にとって理想的な供養方法といえるでしょう。

 

遠くのお墓にお参りする必要がない

 

現代では、お墓が遠方にあるために、お参りが難しいというケースが増えています。特に、都市部に住む人が地方にある先祖代々のお墓を管理し続けるのは、時間的・経済的な負担が大きくなります。

 

遠方のお墓に行くには、新幹線や飛行機を利用しなければならない場合もあります。しかし、自宅供養なら移動の手間がなく、移動の手間や交通費がかかりません。

 

年齢を重ねると、遠方のお墓へ行くのが体力的に難しくなることもあるでしょうし、墓地によっては、冬季は雪でお墓参りが困難になることもあります。自宅供養なら、天候に左右されることなく、無理なく供養を続けることができます。

 

このように、自宅供養は「お墓が遠くてなかなかお参りに行けない」という悩みを解決できる方法として、多くの人に選ばれています。

 

お墓を建てるよりも費用を抑えられる

 

お墓を新しく建てるには、墓石代や土地代、管理費などがかかり、経済的な負担が大きくなります。そのため、コストを抑えつつ供養をしたい人にとって、自宅供養は有力な選択肢になります。

 

お墓を建てるとなると、数百万円かかることもありますが、自宅供養なら数万円で済むこともあります。

 

<自宅供養にかかる費用>

費用項目 費用相場
骨壺 5,000円~5万円
ミニ仏壇 1万円~10万円
メモリアルグッズ(遺骨ペンダントなど) 1万円~10万円

 

また、墓地の維持費や管理費もかからないため、長期的に見ても経済的な負担が少ないというメリットがあります。

 

自宅供養のデメリットや注意点

自宅供養のデメリットや注意点

自宅供養は、費用を抑えながら故人を身近に感じられる供養方法として、多くの人に選ばれています。しかし、従来のお墓とは異なるため、いくつかのデメリットや注意点もあります。

 

ここでは、自宅供養を選択する際に考慮すべき点について詳しく解説します。

 

自宅供養に反対する家族もいる

 

自宅供養は個人の希望で選択できる供養方法ですが、家族や親族にとっては賛否が分かれる場合があります。

供養の考え方は人それぞれ異なります。どの考えが正しいということはなく、それぞれの意見が尊重されるべきです。

 

新しい供養の形が増えているとはいえ、「お墓に納めるのが当然」と考える人もいるため、自宅供養に対して抵抗を感じる家族がいるかもしれません。

 

そのような場合は、なぜ自宅供養を選ぶのか、費用面やお墓の管理が難しいことなど、具体的な理由を伝えて、きちんと話し合いましょう。事後報告ではなく、あらかじめ家族や親族に相談し、納得してもらうことが大切です。

 

どうしても自宅供養に納得してもらえない場合は、完全な自宅供養ではなく、一部をお墓や納骨堂に納める「分骨供養」も選択肢の一つです。

 

家族・親族としっかり話し合うことで、円満に自宅供養を進めることができます。

 

親戚や友人、知人がお参りしにくい

 

お墓がある場合は、親族や友人が自由に訪れて供養できますが、自宅供養ではお参りしにくくなるケースがあります。

 

「供養の場」が個人の家に限定されてしまうため、お墓のように誰でも気軽に訪れて手を合わせることが難しくなります。

 

お参りしたいといわれて断る人は少ないかもしれませんが、「訪問していいのか分からない」「家族に気を遣う」とお参りする側が気を遣ってしまいます。

 

その場合は、命日やお盆には、家族や親族と一緒に故人を偲ぶ時間を作ったり、遺影や故人の思い出をデジタル化し、オンライン上で供養できるようにしたりするなど、気軽にお参りできる方法を考えておくと良いでしょう。

 

アクセサリーは紛失のリスクがある

 

最近は、遺骨をペンダントやリングに加工する「メモリアルジュエリー」が人気ですが、身につけるものは紛失のリスクが伴います。

 

どこかに落としたり忘れたりする可能性がありますし、サイズが小さいため、一度紛失すると見つけにくいです。万が一、旅行先や外出先で失くしてしまうと、回収が難しいため、注意が必要です。

 

使用しないときは収納ケースに入れたり、すべての遺骨をアクセサリーにせず、一部は骨壺に残しておいたりと、紛失しない対策を考えておきましょう。

 

保管方法によってはカビが生えてしまう

 

遺骨は湿気の多い場所に保管すると、カビが生えることがあります。特に日本の気候は湿度が高いため、注意が必要です。

 

<カビが生える原因>

  • 湿気の多い場所に保管している
  • 骨壺のフタがしっかり閉まっていない
  • 直射日光が当たる場所で温度変化が激しい

 

骨壷に入れている場合は、カビが発生していないか、半年~1年に一度は確認するようにします。押入れの中など湿気がこもる場所は避け、風通しの良い場所に置きましょう。

 

粉骨をした時に、真空パックに入れてもらうと、カビが生えにくいです。適切な管理を行えば、遺骨をずっときれいな状態で保管できます。

 

自分が管理できなくなった時のことを考えておかなくてはならない

 

自宅供養を続けていると、将来的に自分が管理できなくなる可能性があります。

 

自分が亡くなった後、遺骨をどうするか決めていないと、家族が困りますし、身寄りがない場合は無縁仏になるリスクがあります。

 

自宅供養ができなくなった場合に備え、「何年後に納骨堂に納める」「散骨を希望する」など、明確に決めておくと安心です。

 

遺言書に自宅供養の方針を記載しておくのもおすすめです。法的な効力を持たせることで、遺族がスムーズに供養できるでしょう。

 

自宅供養の種類

自宅供養の種類

自宅供養にはさまざまな方法があり、近年はライフスタイルや住環境に合わせた供養のスタイルが増えています。従来の「仏壇+位牌+骨壷」という形にこだわらず、より身近に故人を感じられる供養方法を選ぶ人も増えています。

 

ここでは、自宅供養の代表的な方法について詳しく解説します。

 

アクセサリーに加工して身につける

 

故人の遺骨や遺灰の一部を、ペンダントやリング、ブレスレットなどのアクセサリーに加工し、常に身につける供養方法です。特に「いつも故人をそばに感じていたい」という人に選ばれています。

 

遺骨をアクセサリーにすると、肌身離さず持ち歩けますし、お墓参りのように特定の場所に行かなくても、どこでも手を合わせられます。

 

シンプルなものからジュエリータイプまであり、デザイン性が高く、おしゃれなものも多いです。一見、遺骨が入っているとはわからず、普段使いできるのもメリットです。

 

ただし、アクセサリーは小さいため、紛失のリスクがあります。また、素材によっては劣化することがありますので、長期間使用する場合は、メンテナンスが必要です。

 

ミニ骨壷に移して安置する

 

通常の骨壷よりも小さな「ミニ骨壷」に遺骨の一部を移し、室内に安置する供養方法です。コンパクトなため、リビングや寝室など好きな場所に置くことができます。

 

場所を取らないため、マンション住まいでも供養しやすく、限られたスペースでも問題ありません。

 

陶器製・ガラス製・木製など、インテリアに馴染むデザインが多いため、好きなデザインを選べます。

 

分骨して、兄弟や親族がそれぞれ遺骨を持つことも可能です。

 

ただし、骨壷内に湿気が溜まるとカビが生えることがあるので、乾燥剤を入れるなどの工夫が必要です。

 

リビングにもなじむデザイン性の高いミニ仏壇

 

従来の仏壇とは異なり、モダンなデザインのミニ仏壇をリビングや寝室に設置し、自宅で供養する方法です。洋風インテリアにも合うデザインが多く、「仏壇=和室」という固定概念を覆す新しい供養スタイルです。

 

木製・金属製・ガラス製など、おしゃれなデザインが豊富で、インテリアとして違和感なくなじみます。

 

従来の大きな仏壇と違い、小さなスペースでも設置可能ですし、ミニ骨壷、写真立て、おりん(仏具)などがセットになっている商品もあります。

 

ただし、年配の親族から「仏壇はもっと立派なものにすべき」と言われることもありますので、事前に相談し、納得してもらった上で準備をしたほうが良いでしょう。

 

プレート状に加工する

 

遺骨を特殊加工し、プレート状の石やガラスに埋め込む供養方法です。リビングや寝室に置いて手を合わせることができます。

 

デザイン性が高く、モダンなアート作品のようなデザインもあり、仏壇に見えないのが大きなメリットです。

 

コンパクトで管理がしやすいので、置き場所にも困りません。好きな言葉やメッセージを刻印できるなど、加工の自由度も高いです。

 

割れやすい素材の場合は、取り扱いに注意が必要です。移動や持ち運びには慎重にしましょう。

 

自宅での供養の方法

自宅での供養の方法

自宅供養を選んだものの、「どのように供養すればいいのか」と迷う方も多いでしょう。

 

お墓や寺院での供養とは異なり、自宅供養は自由度が高いため、家族の気持ちやライフスタイルに合った方法を選ぶことが大切です。

 

ここでは、自宅でできる供養の方法について詳しく解説します。

 

毎日のお供えや読経で供養

 

故人に手を合わせ、感謝や想いを伝えることは、日常的にできる供養のひとつです。

 

特別なことは必要なく、お水やお茶を供えるのでも十分です。「毎朝一杯のお水を交換する」という簡単な習慣から始めてみましょう。声に出して話しかけたり、心の中で思いを伝えたりするのも立派な供養です。

 

自宅にミニ仏壇やミニ骨壷を安置している場合は、毎日少しの時間をとってお供えをしたり、お経を唱えたりするとよいでしょう。たとえば「南無阿弥陀仏」や「南無妙法蓮華経」など、宗派に合わせたお経を唱えてみてください。

 

お線香やお花の香りは心を落ち着かせてくれます。大切なのは、故人様を思う気持ちです。難しい作法を気にせず、自分なりの方法で供養をすれば良いのです。

 

定期的な法要を行う

 

自宅供養では、年忌法要(1周忌、3回忌、7回忌など)や月命日など、定期的なタイミングで法要を行うこともできます。僧侶を呼ばずとも、家族だけでお経を唱えたり、お供えをしたりするだけでも十分な供養になります。

 

命日や月命日に、故人が好きだった食べ物や飲み物を供えたり、昔の写真を見ながら、家族で思い出話をしたりするのもよいでしょう。

 

読経をしてほしいけれど、自宅に僧侶を呼ぶのが難しい場合、お寺によってはオンラインで法要を行うことも可能です。

 

季節の行事やイベントに合わせた供養

 

お盆やお彼岸、故人の誕生日など、特別な日には少し工夫をして供養を行うのもよいでしょう。こうした節目の供養は、家族が集まりやすいタイミングでもあるため、故人を偲ぶ良い機会になります。

 

故人の誕生日に好きだった料理を作ったり、思い出の曲を聴いたりするのも供養の一つです。

 

故人の好きだったものや思い出の場所を飾る

 

自宅供養では、故人が生前好きだったものを飾ったり、思い出の品を大切にすることで、より個人的なスタイルでの供養ができます。

 

<具体的な方法>

  • ミニ仏壇や供養スペースに故人の好きなものを置く:お花、コーヒー、ワイン、本、趣味の道具など
  • 思い出の写真を飾る:遺影だけでなく、故人が楽しそうにしている写真も一緒に飾る
  • 故人の好きだった音楽を流す:特別な日に、故人がよく聴いていた曲をかける
  • 故人が愛用していたものを大切にする:ペン、時計、帽子など、身近に置いておく

 

このような供養の方法は、特別な準備をしなくても気軽にでき、自分にとっても癒しになる供養ができます。

 

自宅供養の始め方

自宅供養の始め方

自宅供養を始めるにあたって、どのような手順を踏めばよいのか迷う方も多いでしょう。お墓を建てる供養と異なり、自宅供養は自由度が高いため、事前にしっかりと計画を立てることが大切です。

 

ここでは、自宅供養をスムーズに進めるための基本的な流れを詳しく解説します。

 

家族、親族と話し合って全員に納得してもらう

 

自宅供養は個人の選択が重視される供養方法ですが、家族や親族にとっては予想外の選択かもしれません。特に、親世代の方々は「お墓に納骨するのが当然」という考えを持っていることが多いため、理解を得ることが重要です。

 

自宅供養を選びたい理由を明確に伝えますが、家族の意見を尊重し、納得できる形を探すことも大切です。時には自宅供養に限定せず、供養方法の選択肢を提示し、家族みんなで話し合いましょう。

 

たとえば、将来的に納骨を希望する親族がいる場合は、「一定期間は自宅供養し、その後納骨する」といった折衷案も考えます。

 

大切なのは、「勝手に決めた」と思われないよう、家族全員が納得する形を目指すことです。特に親世代の考え方を尊重し、丁寧に説明しましょう。

 

全骨か分骨かを決める

 

全骨供養とは、遺骨のすべてを自宅で供養する方法です。一定期間は手元供養し、後に納骨することも可能ですが、納骨しないままだと将来的な管理問題が生じる可能性があります。

 

それに対して、分骨供養とは遺骨の一部を自宅で供養し、残りをお墓や納骨堂に納める方法です。

 

家族間で意見が分かれる場合、分骨は良い折衷案となることが多いです。

 

自宅供養の方法を決める

 

自宅供養にはさまざまな方法があります。どの方法が最適かを考え、家族と相談して決めましょう。

 

  • 供養するスペースは確保できるか?→仏壇を置く場所がないならミニ骨壷やアクセサリーが向いている
  • 家族のライフスタイルに合っているか?→旅行や引っ越しが多いなら、持ち運びやすい方法が便利
  • 宗派や信仰にこだわるか?→特定の宗教に沿った供養がしたい場合は、仏壇を設置するのがおすすめ

 

選択した方法にあわせて業者に加工などを依頼する

 

選択した供養の方法にあわせて、必要なものを揃えます。

 

ミニ骨壷やミニ仏壇を購入する場合は、仏具店やオンラインショップで購入可能です。故人の好みやインテリアに合ったデザインを選ぶとよいでしょう。

 

アクセサリーやプレートに加工する場合は、遺骨をジュエリーやガラスプレートに加工する専門業者に依頼します。加工には数週間~1か月程度かかる場合が多いです。

 

業者選びを選ぶ際には、実績や口コミをチェックし、信頼できる業者を選ぶことが重要です。特にアクセサリーについては、加工後のケアについても確認してください。破損や劣化が心配な場合、アフターサービスがある業者を選ぶとよいでしょう。

 

自宅供養にする際の粉骨の必要性

自宅供養にする際の粉骨の必要性

ご遺骨を自宅で供養するなら粉骨することをおすすめします。粉骨とは、ご遺骨を粉末状(パウダー状)に加工することです。

 

粉骨することで、保管しやすくなり、湿気によるカビや劣化のリスクも軽減できます。

 

<粉骨のメリット>

  • ご遺骨の量が減るので、コンパクトに保管できる
  • 骨壷のサイズを小さくできるため、収納場所に困らない
  • 骨壷内の湿気がたまりにくくなるため、湿気によるカビや変色を防ぎ、長期間の保存に適している
  • 細かい粉末状になっているため、散骨がしやすくなる

 

粉骨は、自分でできないことはないですが、精神的なダメージも大きくなりますから、専門業者に依頼するのが一般的です。

 

自宅供養する際の分骨の手続き

分骨を行う場合、火葬後すぐに分骨するケースと、すでに埋葬された遺骨を分けるケースがあります。

 

火葬後に分骨する場合

 

火葬してすぐに分骨する場合は、火葬場で「分骨証明書」を発行してもらいます。分骨証明書は、分骨した遺骨を寺院や納骨堂に納める場に必要になりますから、なくさないようにしてください。

 

その後、「半分をお墓、半分を自宅で供養する」など、供養の方法を決めて、それに合わせて小さめの骨壷やミニ仏壇用の骨壷を準備しましょう。

 

すでに埋葬された遺骨を分骨する場合

 

すでに納骨されている遺骨を分骨するには、墓地管理者や住職の許可が必要です。まずは、お墓の管理者や寺院に相談します。

 

その上で、分骨証明書を取得します。遺骨の一部を取り出して別の場所に納める場合も、分骨証明書が求められることがありますので、必ず取得してください。

 

ご遺骨を取り出す際は、重い墓石を動かさなくてはならないので、石材店などに依頼するのが一般的です。分骨することが決まったら、石材店にも相談しておきましょう。

 

分骨した場合のご遺骨の供養の仕方

分骨した場合のご遺骨の供養の仕方

分骨したご遺骨は、自宅供養のほかに、お墓や納骨堂へ納めたり、自然へ還す方法など、さまざまな供養方法を選択できます。

 

近年では、「お墓を持たない供養」や「自然志向の供養」を希望する方が増えており、永代供養墓での合祀・樹木葬・散骨などが注目されています。

 

それぞれの方法について詳しく解説します。

 

永代供養墓で合祀する

 

永代供養墓とは、お寺や霊園が管理し、遺族に代わって供養してくれるお墓のことです。

 

一定期間(13回忌や33回忌など)個別に供養した後、他の方の遺骨と一緒に合祀される場合が多いです。

 

合祀とは、遺骨を他の方と一緒に埋葬することで、一度合祀すると、個別に取り出すことは難しくなります。

 

もし将来的に別の場所へ移す可能性がある場合は、合祀せずに個別安置できるプランがあるか、確認してください。

 

樹木葬

 

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木を墓標とする埋葬の方法です。遺骨を専用のエリアに埋葬し、自然とともに眠るスタイルであるため、「自然に還る」供養方法として、近年人気が高まっています。

 

墓石を建てない分、一般的なお墓よりも費用が抑えられるというメリットもあります。

 

<樹木葬の種類>

  • 合祀型(合同埋葬):他の方の遺骨と一緒に埋葬するため費用が最も安い
  • 個別区画型(個別埋葬):一定期間、個別の区画に埋葬し、その後合祀される場合が多い
  • 家族・夫婦墓型:夫婦や家族で一緒に埋葬できる区画を購入する

 

基本的には永代供養となっていますので、 お墓の管理が不要ですし、後継者がいなくても安心です。

 

ただし、遺骨を土に埋葬するため、取り出すことができません。「後から遺骨を別の場所へ移す可能性がある場合」は適さない方法です。

 

散骨

 

遺骨を粉末状にし、海・山・空など自然に撒いて供養する方法です。「お墓を持たず、自然に還りたい」と考える人に選ばれています。

 

<散骨の種類>

  • 海洋散骨:遺骨を海に撒く方法。船で沖に出て散骨するのが一般的
  • 山や森林への散骨(山林散骨):山や森林に散骨し、自然に還る供養方法
  • 空からの散骨(空中散骨):飛行機やドローンを使い、空から散骨する方法(実施できる地域は限られる)

 

お墓を建てるよりも、費用を抑えられますし、墓石や管理の負担が不要になるので、お墓の継承者がいない場合でも安心です。

 

遺骨をそのまま撒くことはできないため、必ず遺骨を粉骨(パウダー状)にする必要があります。粉骨の作業も含めて、散骨は専門の業者に依頼します。

 

また、どこでも散骨できるわけではありません。漁業地域や観光地では散骨できないと自治体の条例で決められていることがあります。専門業者であれば、法令にも詳しいので、あわせて相談してみましょう。

 

自宅供養が向いている人

自宅供養が向いている人

自宅供養は、このような方に向いています。

 

<いつでも故人を身近に感じていたい人>

  • 故人と離れることに寂しさを感じる
  • お墓が遠く、頻繁にお参りするのが難しい
  • 自宅で手を合わせ、日々供養したい

 

<供養の方法をじっくり考えたい人>

  • すぐにお墓を決められない
  • 故人を見送ったばかりで、埋葬する気になれない
  • 家族と話し合いながら供養の方法を決めたい

 

<お墓を持ちたくない・管理が難しい人>

  • お墓を建てる費用を抑えたい
  • 後継者がいないので、無縁墓になるのが心配
  • 墓じまいを考えている

 

<宗教や慣習にとらわれず自由な供養をしたい人>

  • 宗派にこだわらず供養をしたい
  • 形式的な法要ではなく、自分なりの方法で供養したい

 

自宅供養は、故人を身近に感じながら、ライフスタイルに合った方法で供養ができるメリットがあります。特に、お墓を持ちたくない人、自由な供養をしたい人、供養の方法をじっくり考えたい人に向いている供養のスタイルです。

 

まとめ

 

自宅供養は、故人を身近に感じながら、自分のライフスタイルや価値観に合った方法で供養できる方法です。

 

お墓を持たずに供養したい人や、自由なスタイルで故人を偲びたい人に適しており、ミニ骨壷やアクセサリーなど多様な方法があります。

 

また、墓じまいや費用負担の軽減、宗教にとらわれない供養を求める人にも向いています。しかし、家族や親族と十分に話し合い、将来的な管理方法も考慮することが大切です。

この記事の監修者

株式会社Aクルーズ代表「天井 十秋」

天井 十秋

大阪・東京を始め、全国で「粉骨」や「散骨」など葬送事業を10年間以上携わっている天井十秋です。
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